暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第23話 ビーター
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テスターとビギナー達の橋渡し。アルゴ以上に、その役割を果たせる者はいないのだから。

(どうすれば良い? 何を言えば収まってくれる? 謝罪か? いや……駄目だ。他のプレイヤーにまで……上る)

 キリトは、考えを張り巡らせていたその刹那。

「………ッ! リュウ…キ?」

 リュウキがキリトの肩を叩いた。
 そして、……キリトはリュウキの目を見た。悲しげなその目を……キリトは決して見逃さなかった。リュウキは徐に移動して行く。まだ悪意が漂っているであろう渦中に向かって。


 その先には、今までずっと我慢して聞いていた3人。

 恐らくは誰よりも……この中で誰よりもこの戦闘の功労者は誰なのか。誰のお陰で生き残る事ができたのかがわかっている3人だ。礼を言う事はあったとしても、罵倒するような事は絶対に間違えている。

「あの人は、そんな人じゃないっ!!それに、アルゴさんだって、アルゴさんだって!なんでそんなことを言うのよっ!!」

 レイナがまるで絶叫するかの如く叫び声をあげていた。3人の中で一番先に声を上げたレイナ。
思い切り声を上げたせいか、肩で息をする。

「……あんた、なんでそんな奴の肩なんか持つんだ? あんたもグルなのか?」
「なっ!!」

 レイナの事をも標的に入れようとする。その事だけはアスナが我慢出来ないようだった。アスナが、そして隣にいたエギルも一歩前に出ようとしたその時だ。

「……馬鹿な事を言うな」

 低く、そして冷たい言葉が場に響いた。決して大きな声じゃないのに、よく通る、身も凍る様な声だった。

「冗談だろう? そいつは、正真正銘の初心者(ビギナー)。スイッチは疎か、パーティ申請のの仕方も知らなかった程にな」

 リュウキは3人の間を縫うように前へと出てきた。そして、疑惑の視線を向けてくるプレイヤー達に向かいつつ、続ける。

「……共にパーティを組んだからって、あまり懐かない事だ。そう懐いてしまったら、仲間だと思われるだろ? ……まぁ 初心者(ビギナー)だからこそ、判らないんだろうな。利用されたことに」

 リュウキは、ふてぶてしい表情のまま、そう答えた。

「それに元βテスターだって……? オレをあんな連中と一緒にしないでくれないか……?」
「な……なんだとっ!」

 そんな言葉を聞き、更に憎悪を燃やすメンバー。中でもリンドは、目に涙さえも浮かべていた。悔しさと怒りが混濁しているようだ。

「……お前らの足りない脳を最大限活用してみろ。そもそもSAOのCBTの倍率は、かなりのものなんだぞ? そして、受かったのは たった1000人。今回正式サービス人数の更に10分の1。 その中にどれだけいたと思う? 熟練者って呼べるものが? ……殆ど、レベリングの
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