暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第23話 ビーター
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が、フロアに響き渡った。それが響いたと同時にもう さっきまでの拍手喝采はなくなっていた。

 そしてキバオウに続く形で入ってくるのは、ディアベルのパーティにいたプレイヤー。サブリーダー役を勤めていた男、《リンド》。

「そうだ……! ここで、ここで、讃えられているべき人は、ディアベルさんだった筈だ!! お前は、お前達は、見殺しにした超本人だ」

 そこまで言えば、拍手どころか、疑惑の視線を向けてくるプレイヤーも大勢出来た。彼らがBOSSの剣を見切っていた事、知っている事、何故、それを教えなかったのか、と。

「《last attacking bonus》」

そんな時だ。……妙に流暢な英語が聞こえてきた。

「あんたは、あんたらは、ディアベルさんにLAを取られるのが嫌だったんだろ? だから、全てを隠して、見殺しにした。……図星、だろ? 元βテスターさん(・・・・・・・・)
「っ……!」

 リンドはその言葉を訊いて、俯く。

「本当、なのか……? おまえ、おまえらは……」

 怒りからだろう。身体が震えているのは、全てのベータテスターに対する。
 そして、リンドの前の男のその言葉には、何処か悪意が孕んでいる様にも思えた。ただ、疑惑を投げかけると言うより、争いを助長するかの様な言い方だったから。だけど、この時はどうすることも出来なかった。

 そして、その事に対しても疑問を投げかけるプレイヤーもいた。

「でもよ…… 昨日配布された攻略本にのっていたボスの攻撃パターンはβ時代の情報だ。って書いてあっただろ?彼が元テスターだって言うのなら、寧ろ知識はあの攻略本と同じじゃないのか?」

 その問いに一度は黙ってしまった、だが……ディアベルと共にクリアを目指していたシミター使い、リンドは憎悪溢れる一言が言えなかった。だが、悪意はまだ続く。
 あの流暢な英語を操る男。

「No。……違うな。あの攻略本が嘘だったんだろうぜ。アルゴって情報屋が嘘を売りつけて、そして アイツとお前らはグル。アルゴだって元βテスターなんだから、其れくらいは訳ないよな? 共謀して騙して、善意のふりでオレ達に偽情報をばらまいて、最後には美味しい所を持っていく。……It's scary。全く恐ろしい奴らだねぇ」


 争いを助長している様に感じるのに、この男には何処か説得力がある。疑惑の念がどんどん黒く場を染めていくのだ。

(……まずい、この流れは……。)

 キリトは危惧した。この場で……リュウキと自分だけが糾弾を受けるのならまだ良い。その矛先が他の元テスター、アルゴ達の様なプレイヤーにまで及んでしまえば。敵意が暴走すればそれこそ魔女狩りのような状況になってしまうだろう。中でもアルゴに関しては、危ない。アイツはベータ
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