『東方晟成』 @
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疲れた表情で机に倒れこむ。ちなみにこのやり取りは、このクラスの名物にもなっているほど日常茶飯事なので、周りの生徒達は「またか……」と呆れた目で三人を見ていた。
ガラララ……
「はいは〜い! 席につくですよ〜!」
教室の扉が開くと同時に、舌ったらずで甘ったるい声が生徒達に向けて発せられた。声の持ち主は、その幼い声に似つかわしく小柄で、おそらく十人中十人が小学生と認識してしまう程の童顔な女性であった。彼女こそ先程青髪ピアス(変態)が言っていたこのクラスの担任、ランドセルが似合う外見とは裏腹に実年齢は飲酒・喫煙クリアな年齢である『月詠小萌』であった。
「いや〜、暑いですね皆さん。でも後少しで夏休みですので、皆さん暑さに負けずがんばりましょう〜♪ 」
「は〜い! 頑張りま〜す!!」
元気よく返事したのは、言うまでもないが変態(青髪ピアス)である。
「さて、皆さん。今日は皆さんに重大発表があるのですよ〜♪ 」
小萌の言葉に生徒達はどよめき始める。彼女は生徒達が驚愕すること間違いなしと確信の笑みを浮かべ、その重大発表を告げた。
「なんとですね〜…………今日このクラスに、転校生が来るんですよ〜!」
「「「えぇええええええ!?」」」
小萌の重大発表は生徒達を驚愕させた。予想通りの反応に満足なのか、彼女は笑みを浮かべたままである。
「ビックリするのも分かりますよ〜。なにせ一学期も終わり間近というこの時期に転校生ですからね〜。それにその転校生ちゃんは『外』から来るんですよ〜♪ 」
小萌の発言に生徒達は一瞬で転校生に興味がわいた。学園都市で転校は殆どおこなわれない。最初の入学試験で生徒に最も適した学校が決められるからだ。転校生だというだけでも珍しいのだが、件の転校生はそれに加え『学園都市の外』から来るのだという。こんなビッグニュースに、生徒達がくいつかないわけがなかった。
「おいおいおいおい、まさか夏休み突入前にイベントフラグがたっちゃう系!?」
「いやいや、何で転校生『女』って決めつけてんだよ」
「何言うとるん、カミやん! こんな時期に転校してくるんは、美少女と宇宙が創られた時から決まっとるんやで!」
「初めて聞いたぞ! そんな宇宙の法則!」
「はいそこ〜、上条ちゃんに土御門ちゃんに青髪ちゃん、いつまでコントしているんですか〜静かにするですよ〜♪ 」
「「はいッ!!」」
「………はい…」
「よろしい♪ ではでは、さっそく噂の転校生ちゃんをご紹介しましょう。入っていいですよ〜、『東方』ちゃん〜!」
小萌の呼び声に答えるように、教室の扉に人のシルエットが浮かび上がった。生徒達は転校生と
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