第一物語・後半-日来独立編-
第三十八章 戦場で踊る者達《1》
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ける為、獣人族の血を引いている者にとって単発は容易に避けられる。
これらを踏まえ、脚型加速機|《レッグスラスター》に備え付けらていた流魔刀を抜き取る。
流魔の刃を出すために柄に設けられたトリガーを引き、青の光と共に刃が現れた。
長刀となった流魔刀を握り、片手で重力に引っ張られて落ちている半獣人族へと振り下ろす。
命までは奪わない。ただ身体を動かなくするだけだ。
迷い無き一撃はネフィアに向かうが、急にネフィアが宙で落下の方向を変えた。
否、落下ではなく何かに引っ張られ方向を変えたのだ。
青の斬撃は空気を切るだけで、他には何もなかった。
『はあ!? 獣人族だろ、あいつ。なんで空中で方向転換出来んだよ』
「右手を良くご覧になってはいかが?」
言われ、右手を見た。
あの銀の武器の一部が線となり、何かを吊るしていた。
半獣人族だ。
自身、と言うよりも騎神の手を軸にした公転運動により背後へと移動したのだ。
『そう言うことかよ。ならこの変な銀の武器ごとぶつけてやる!』
地面へと再び振り落とすために振り上げた腕から、半獣人族の重さが抜けた。
銀の武器を巻き取るように自身の元へと戻し、近くになるナイター照明に向かって宙を移動したのだ。
ナイター照明に向かって、騎神との距離を離す。
だが、そのお陰で騎神は右の手の自由が得られた。
短機関銃を手に取り、グラウンドから離れて空へ上がる。
わざわざ地上で戦う意味も無い。だから空へ上がり、上からの攻撃を行う。
当たるかは心配だが、何事も安全第一だ。
小さくなったグラウンドのナイター照明には、そこに立つ半獣人族がこちらを見ている。
空中ではどうしようもないのか、動きはせずにそのままだ。
だったらと、こちらから先に動く。
行うのは加護を弾に加えることで出来る、追尾弾による連続射撃。
放つ弾数は十。
加護付きであることを示すように、銃弾は青の軌跡を描きながら進む。
微妙に加護の効力を変化させているため、それぞれの弾が複雑な軌道を描いた。
●
空の色とは違う青を見て、警戒体勢へとネフィアは入った。
合計十発の銃弾。
追尾付きであり、避けられるかはやってみなければ分からない。
自分が幼い頃、母から教わったもの一つは騎神との戦い方であり、銃弾の回避の仕方は教えられていない。
獣人族、半獣人族は当たり前に出来るからだ。
死角から必ず来るのは予想出来るが、どのような軌道までかは予想出来無い。
勘に頼るのもあれなので、今までの経験を存分に生かす。
「Laufen――!」
行動開始の合図を告げ、ナイター照明から身を投げた。
地上には障害物となるものがあり、それを活用すれば回避が出来るかもしれないと考えたの
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