第二幕その八
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第二幕その八
「私の心です」
「貴方のですか?」
「そう、貴女への熱と悩みと苦しみに満ちた心の象徴です」
「ですがこれは」
見たところ金と銀で造られている。それを見て思うことはであった。
「こんな高価なものは」
「受け取って頂けますか?」
「いえ」
しかしドラベッラは首を横に振るのだった。しかも強く。
「貴方は酷い人です」
「何故そう仰るのですか?」
「私のように貞淑な女を誘惑しようとは」
(果たしてどうかな)
グリエルモはそんなドラベッラを見て心の中で呟く。
(山が動いたんじゃないかな。だったら僕も軍人の名誉にかけてもっと攻めてみるか)
「愛しています」
そしてこの言葉を出したのだった。
「貴女を」
「なりません」
「私は貴女のものです」
また言うのだった。
「どうか」
「私を殺すのですか?」
ドラベッラの顔が思い詰めたものになる。
「そんなことを言って」
「では一緒に」
グリエルモも思い詰めた顔になって言ってきた。
「愛しい貴女と。それならばいいですか?」
「それは」
「どうか。だからこそ」
ここでまたそのペンダントを彼女の前に見せて。そして囁く。
「このハートを貴女に。ですからどうか」
「いえ」
「どうか。何処までも共に」
「そこまで仰るのですね」
「そうです」
(悪いな、フェランド)
ここでまた心の中で呟く。
(このままいってもな。悪く思うなよ)
「それは偽りではありません」
「そこまで仰るのなら」
遂にそれを受けるのだった。ペンダントを。そして。
「これを」
「有り難うございます」
「けれど。私は」
思い詰めた顔でまた言うドラベッラだった。
「私のものは上げられないわ」
「何故ですか?」
「もう私のものではないから」
こう言うのである。
「だから」
「貴女のものではないと」
「そうです」
グリエルモに対しても告げる。彼がグリエルモと気付かないまま。
「その通りです」
「それではです」
グリエルモは半ば本気になってその彼女に問うた。
「貴女の胸で高鳴っているものは」
「若しも貴方が」
ドラベッラはここでは彼のその言葉に合わせてきた。
「私に下さったのならこの胸で高鳴っているものは」
「それは何故か」
「どうしてこれだけ胸が」
二人で言い合いはじめた。
「高鳴っているというの?」
「それは私も私のものではないから」
「では私は」
「そう、私は」
ドラベッラもグリエルモも互いを見詰め合って話をする。
「自分は自分のものではなく」
「貴方のもの」
「そう、貴女のもの。だから」
グリエルモは一歩前に出てそうして。そのペンダントをドラベッラの首にかけようとする。ところがであ
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