第二幕その五
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第二幕その五
「お庭で何が?」
「それにしても今日のうちのお庭はとても騒がしいわ」
「魅力がそこにあります。ですから」
とにかく姉妹を庭に連れ出した。まるでそれぞれの背中を押すようにして。そうして出てみた庭には。小舟が船着場にあった。そしてそこからは。
「またあの人達が」
「今度は色々な人達と一緒ね」
フェランドとグリエルモが小舟から降りてきていた。そうして多くの歌手や演奏者達を従えていた。そうしてそのうえで姉妹に対して優しく歌うのだった。
「優しい風よ手を貸してくれ」
「私の望みに手を貸して」
「この溜息を、この心を女神の下に届けてくれ」
こう歌うのだった。
「風よ、この悩みの種は何度も聞いたろう」
「それをあの人達に全て繰り返して欲しい」
「優しい風よ手を貸してくれ」
後ろにいる歌手達も同じ歌を歌う。その歌がまず姉妹を出迎えたのだった。
「何、これ」
「この歌は」
「いやいや、御見事」
アルフォンソは目が点になっている二人の横でにこにことして拍手していた。
「お疲れ様」
「いえいえ、それでは」
「これを」
そして歌手や演奏者達は今度は花束の篭を持って来た。そうしてそれで庭のテーブルの上を飾るのだった。テーブルは瞬く間に美しい様々な花達で覆われてしまった。
「何ですか、これは」
「歌に花は」
「あらあら」
そしてまたデスピーナが出て来た。
「またいらしたのですね。今度は派手なことで」
「いや、いとしい人の為なら」
「この程度は」
フェランドもグリエルモもこう彼女に返す。それぞれの胸を抑えながら。
「頭の一番上から足の爪先まで震えています」
「恋をすれば手足もその恋に縛られ」
また言うのだった。
「それでつい」
「言葉が出ないので」
「私からも御願いです」
アルフォンソは呆然とする姉妹に対して述べたのだった。
「どうかここはせめてお声を」
「まあ少しなら」
「少しだけなら」
二人はそれだけなら、ということにして前に出るのだった。心が。
「困ったな」
「そうだな」
しかしここでフェランドとグリエルモはその調子を変えてきたのだった。
「いざとなったら」
「言葉が」
「それは大変です」
アルフォンソはこれまた二人の側に立って演技をした。
「言葉が出ないのですか」
「どうにもこうにも」
「何と言えば」
「そうですか。わかりました」
アルフォンソは俯いてしまった彼等の言葉を受けて頷くのだった。
「それではです」
「!?」
「私達に?」
「そうです」
姉妹に顔を向けての言葉だった。
「一歩だけ。御二人は緊張して言えませんので」
「それで私達の方から」
「そうなのですか」
「はい、どうか憐れみを」
また姉妹
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