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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
新たなる乱入者
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識を集中させた。
普段のスピードで走っていたら、とてもじゃないができない芸当だ。しかし、キリト達に合わせては知っているのでその心配もない。おまけには走っている道は障害物のない一本道。
すると、脳裏でぼんやりと地形の形が浮かび上がる。その中に自分と走る三つと小さい一つの光点。
三つは言わずもがな、一緒に走るキリト、リーファ、カグラ。小さな光点は、キリトの胸ポケットに入っているユイだろう。
さらにその後ろを、レン達を追うように高速で移動する────
───ひぃ、ふぅ、みぃ…………。やっぱり十二、か。
ふぅ、と訳もなく胸中でため息をついて意識の集中を続ける。さらに奥へ、もっと先へと。
集中を続けると、やがて自分が感知できる範囲のギリギリのところを風のように疾走する一つの巨大な光点を見つけた。
《超感覚》で感じられる光点の大きさは、すなわちそのプレイヤーが常に垂れ流している《気》のそれとイコールである。その場合、この光点の大きさはそのプレイヤーの強さと直結することになる。
事実、隣を走るキリトの光点は明らかにその隣を走るシルフの女性剣士よりも大きい。
つまりは────
───強いな。
レンは脳裏で、一人呟いた。この大きさは、ちょっと異常である。それこそ《六王》クラス。
一瞬、幼い頃から一緒に遊んでいた一人の少女の顔がフラッシュバックするが、すぐに打ち消した。
ダメだ。それは、それだけは疑っちゃダメだ。自分を信じ、全てを信じてくれる思いを裏切ることは絶対にやってはいけない。
顔を振り、浮かんでしまった思考を急いで振り払う。
───余計なことを考えるな。この世界に《六王》クラスの実力者がいないという証拠はどこにもない。
一度だけ、きつく眼を閉じて高速で移動するその大きな光点に集中する。
一本道なので大きな光点は必然的に、背後から迫るサラマンダーを追いかけるような形になっている。
スピード的には大きな光点のほうが、
重鎧
(
ヘビーアーマー
)
を装備するサラマンダーよりも遥かに上だ。当然と言えば、当然だが。
みるみるうちに両者の距離は縮まり、あっという間に接触した。
瞬間、絡み合う両者。そして────
「あっ!」
思わず声が出た。
走りながら、訝しげにこちらを見てくる三者と一人の視線を意識の外で感じながら、レンは感知領域の中で行われた所業に顔を強張らせずにはいられなかった。
交錯した大きな光点と、十二人のサラマンダーは数秒ほど座標を共にし────
十二の光点が消えた。
「あっ!」
突如、鋭い声を出したレンにリーファは思わず首を巡らすと、紅衣の少年の顔は激しく強張っていた。
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