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リリカルなのは 3人の想い
8話 林道 五也side
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レたら恥ずいッスね」

「別にそう言うわけではないんだが……」

 なんにせよその場から離れることに異論はない。


▼▼

「でさでさ、五也は前世でどんなことしてたんスか」

 帰り道、雑談の果てに1つの質問が俺に投げかけられる。
 前世、か。

「別段特筆するようなこともない平々凡々、どこにでもいるような一般市民Aだったな」

「またまたぁ〜、そう言う奴ほど案外凄い人生送ってるんだって」

「なぜそうなる」

 生憎だが俺は本当に前世では普通の家に生まれ、普通の学校に通い、普通の人生を歩んでいた一般市民だ。
 ………まあ、友人2人が少し特殊かもしれないが。

「そんな事を言うお前はどうなんだ」

「俺? 俺はまあ……ちっと普通とは違ったかもッス」

 まだ短いつきあいだが、明らかに武藤の声が沈んだのがわかった。

「別に話したくないなら言う必要はないぞ、わざわざ他人の過去を根掘り葉掘り聞くつもりはないからな」

「いや別にそういうわけじゃないんスよ、単になんつーか……こう……」

 武藤は言葉を探して首をひねったり、頭をかきむしったりしている。

「まあ……あれッス、ぶっちゃけると」

 どうやらボキャブラリーは豊富とはいえないようだ。

「俺ってばさ今じゃこんなんッスけど、前世じゃ体あんま丈夫じゃなくてさ、運動とかもできなかったんスよ」

 確かに今の武藤は見た目、内面ともに完璧に腕白小僧のそれだ、ハッキリ言ってこれが病弱だとか言われても信じるのは難しいだろう。

「言っちまうとそんだけなんスけど、普通かどうかって言うと普通じゃなかったなーって」

 それだけ、確かに言葉にすればそれだけなのだろう。
 だがその中には武藤にしかわからないであろう感情があったはずだ。
 そう、あたかも京介や黒木のように。
 それはきっと、あくまで普通の人生を送り、それを当たり前だと考え、なんの疑問も抱かなかった俺ではきっと本当の意味で理解するのは難しいのだろう。

「で、でもさ、あれッス、転生する時に健康な体を特典で頼んだから気にすることねえッスよ」

 どうやら俺が黙り込んでいるのを気まずさからと思いこんだのだろう、そんな武藤の態度に今はそばにいない友人2人が重なる。
 あの2人も空気が重くなるのを嫌い、その手の話をするときはほとんどなかった。
 話すにしてもまるでふざけるように、軽口でも叩くように、何も気にしてはいないと言わんばかりに俺に対して気を使っていた。
 正直に言って歯痒かった、結局何処までいっても2人とは壁があるような気がして、友達だの何だの言っても言葉だけみたいな気がして。

「そうか、まあよかったじゃないか、こうやって健康な体でいるという夢が
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