第四十一話〜再会と新しき出会い〜
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だが、視界の端に映ったあるモノが見えた瞬間、ライは驚きながらも駆け出していた。
ライの視界に映ったのは、偶々皆から少し離れた位置に立っていたギンガの後ろから手に持った槍を投擲しようとするグロースターの姿であった。そのグロースターはライ以外の人からは死角になっている通路にいた。
ギンガは未だにそれに気づいておらず、いきなり駆け出したライにキョトンとした表情を向けている。その彼女の反応を気にする暇もなく、ライはギンガとグロースターの間に割り込もうとする。
しかし、グロースターの持つ槍が投擲される方がライが間に割り込むよりも早かった。
「クソッ!」
「え?」
ライはグロースターの無力化が間に合わない事に悪態を付きながらも、足を止めることはしなかった。ライの向かう先は、ライのことを未だに不思議そうに見ているギンガの方である。
突き飛ばすように彼女を槍の射線上から押しのけフォワード陣の方に投げる。ライはそれと同時に飛んでくる槍の方に視線を向ける。
(間に合えッ!)
どこか願うようにそう念じながら、ライは飛んでくる槍を蹴り飛ばそうとする。右足でハイキックの要領で放たれた蹴りは、脛に付いているパラディンの装甲部分と槍の側面を接触させる。そして火花を散らし、異音を発しながら槍の軌道がずれていく。
だが、そのずれた軌道は小さなもので槍の先端がライの左肩を捉えた。
「グ、ギッ!!!!」
AMFが干渉しバリアジャケットの効力が瞬間的に弱まったため、槍はライの左肩の先端に近い部分を抉った。
口から漏れる絶叫を飲み込み、ライは渾身の力で槍を蹴り飛ばす。飛ばされた槍は壁に叩きつけられ、その破壊のための速度を失った。
なんとか槍を凌いだライは右手で左肩を抑えて未だ健在のグロースターの方に視線を向ける。
件のグロースターは腰に装備していたアサルトライフルを装備し、こちらにその銃口を向けていた。
この密閉空間内では跳弾の危険があったため、ライは反射的に自分の出来る最善の行動をとった。
「上に出て先ほどの彼女の捕縛を!」
叫ぶやいなや、ライは左肩を抑えていた右手にヴァリス形態のパラディンを展開させる。そして即座に近くに立っていた柱と天井を打ち抜く。すると天井が崩落し、ライとフォワード陣達との間に即席の壁が出来た。
そして、壁ができてからグロースターがアサルトライフルの引き金を引くのと、ライが回避行動をとるのはほぼ同時であった。
破壊を撒き散らす鉄の塊が飛び交う轟音と火花が数秒間、その空間を満たした。
ミッドチルダ・地上
ライが起こした崩落から数分後、地下にいたフォワードメンバーは全員地上に戻っていた。だが、そこにいるメンバーのほとんどは浮かない表情をしてい
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