第四十一話〜再会と新しき出会い〜
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ルーテシアはその隙に転移魔法を発動させる。タイミング的にもう自分を止めることができないことを確信した彼女は視線を辺りに向けようとして、ある一点で止まった。
「………ライ?………」
未だに煙が流れてくる通路から、緑の翼を広げ勢いよく飛び出してきたのは自分が再開することを望んだ青年であった。
「ルー?!」
ライの方もルーテシアの存在に気付いたのか驚きの表情を浮かべて彼女の名前を口にしていた。お互いが望んでいた再開であったが、ルーテシア自身が発動させた転移魔法により、その短すぎる再開は幕を閉じた。
ライがフォワード陣やルーテシアたちのいる場所にたどり着く少し前、ライは敵ナイトメアと交戦していた。
自分が合流する前に潰せる敵は潰しておくという方針をライはとっていた。何故なら、水路などの密閉空間はナイトメアにとってのアドバンテージが大きい。そして逆に小隊単位とはいえ、複数人の味方で敵に対応するにはここの通路は狭すぎた。その為、ライは1人での戦闘を選んでいた。その為、ここに来るまでにライは3回程、敵性ナイトメアと交戦していた。
現在は合流地点が目の前というところで敵月下タイプとの交戦を行っていた。ここに来るまでにライはかなりカートリッジを消費し、エナジーウイングは左右2発ずつ、ヴァリスの方は4発ほどしか残っていなかった。
月下が守りに徹し、こちらの消耗を増やそうとして来る。ライは渋りながらも自分の手札を一枚切る。
「コンプレッション」
パラディンを剣からヴァリスに形態移行させ、ライはその銃口を月下に向ける。空薬莢が排出され、甲高い音が辺りに響く。
「カートリッジ、ロード」
2回目の電子音声。それと同時にエナジーウイングが展開される。自分の体に浮力を感じた瞬間、ライは引き金を引いた。
パラディンから放たれる超高圧縮された魔力の弾丸が高速で月下に迫る。
月下はAMFを展開した刀を振ろうとするが、魔力弾の速度の方が月下の反応速度を超えており、月下はその刃を振り遅れる。その結果、魔力弾は月下の装甲を貫き動力炉を破損させ爆発した。
爆発の際に生まれた煙が狭い通路を埋め尽くし視界を遮るが、ライは構わずその中を飛行し、進んでいく。そして煙から抜けきった時、視界の中で紫の髪をした見知った少女の姿を捉えた。
「ルー?!」
自分の記憶に該当するその少女の名を思わずライは呟く。だが、次の瞬間には彼女は足元に展開された魔法陣ごとその姿を消す。
突然の再開であったが、動揺する思考を追いやりその場にいる仲間にライは視線を向けた。
とにかく、目標であるレリックの入ったケースが手元にある以上、このまま地下にとどまる意味がないためライはその場にいる全員に地上に戻ることを言おうとした
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