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魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第十話
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いいねぇ執務官殿。でもさ、リンディも言ったとおり、俺とお前さんの戦力差はでかいぞ。経験も、体力も、体格も何もかも違う。お前さんが俺を詳しく知らないように俺もお前さんには詳しくないが、子供相手だからって容赦はしねぇ。ここは大人しく、母親の言うことを聞くのが賢い子供じゃないのか?」
「僕はもう子供でいられる時間は充分過ごしました。父さんが死んだ以上、母さんは僕を必死で守ってくれるけど、母さんを守れるのは誰もいない。なら僕がそうなるしかないんだ!」
「一丁前のこと言ってくれるのは結構だけどさ。それを誰に対して言ってるのかわかってるのか執務官殿?」
彼が笑顔の裏に隠した欲望。いや、もはや隠してもいない。欲求そのものからくる歪んだ笑みは、見たものを充分以上に震え上がらせる。しかし、それでもクロノは引かない。引くわけにはいかない。限定的な時間とはいえ、ようやく掴んだつかの間の休息を壊されるのは許せない。
「武器をとれ、フレディ・アイン・クロイツ!僕が勝ったら、二度と母さんに手は出させないぞ!」
「いいんだなガキ?そうなるとお前、賭けるものが自分しかねぇぞ?」
「構わない!ここで死ぬなら、どうせこの先激化する戦いも生き残れやしない!」
「いい根性だ。鍛えてやるよ!かかって来い!」
するとそこに、木刀を持った士郎がこっそりと現れて、フレディを後ろから襲撃した。しかしそれをわずかな時間で感じ取った彼は、咄嗟にしゃがんで攻撃をかわすとそのまま距離をとり、拳を挙げて構える。
「お客様、ここは喫茶店でございまして、決して道場ではないのですが」
「おっと、そいつは失礼した……しかしアンタ何者だ?襲撃の瞬間まで殺気を全く見せないとか、堅気じゃないだろ?」
「私の話は結構。これ以上騒ぎを起こすようでしたら、ご退店いただきますが」
ものすごくいい笑顔。しかし見るものに恐怖を与える歴戦の勇者の風格十分と言える。しばらく睨み合っていたものの、さすがのフレディも興が削がれたか、肩をすくめて席につく。
「わかったわかった。この話はまた後でな。とりあえず頭冷やしたいんで、アイスコーヒーをブラックで一つお願いしようかな」
「かしこまりました。アイスのブラックで」
「よろしく」
そして他の席も見回っていく士郎を尻目に、席に着き直したフレディ。
「ふぅ……久々に楽しそうな相手見つけたぜ。でもまぁ、今は仕事中だからな……是非とも暇そうな奴に相手してもらいたいものだ」
「で、どうするの?」
目を向けられたリンディが呆れながら応えると、フレディが獰猛な笑顔をむきだしたまま叩きつけるように告げる。
「アースラの中のどっか一室空けとけ。どうせ乗り付けて来てんだろどっかに」
「まぁね……今は待機中よ」
「結構。お前さんが来な
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