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魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第十話
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「そんなこともあったなぁ……」

 実際直人は翠屋の正式スタッフというわけではないが、縁が深いということとアースラスタッフも数人駆り出されていることから今回も手伝うことになった。

「しかし今日は荒れるで、あの人は。間違いなくおとなしくしてるなんてことが想像できへんし、運営もそんなことは望んでないやろ」
「そこまで言うって、一体何やるんですか?」
「俺も知らん。でも多分有名どころでギターが暴れまわる奴やと思う」

 今回直人は竜二から何も聞かされていない。自分も練習に打ち込んだからで、余裕がなかったからだ。

「さて、楽しませてくれよな。まぁ心配はいらんと思うけど」
「直人くーん、三番テーブルお願いー」
「はいはいー」



 そしてステージでは、前のバンドによるKing Crimsonの21st Century Schizoid Manが終わったところだった。メロイックサインを掲げながらステージを降りていく彼らのすぐ後、超絶な高速ギターフレーズが鳴り響く中竜二達が登場した。

「Hey everybody!Are you heating now!?」

 竜二が英語で煽る。大歓声で返してきたことに満足そうな笑みを浮かべて続けた。

「Hoo,thank you! Next number is special jam session! Introduce us. Drum is YUKI from Orgasms!」

 煽るとドラムロールを炸裂する。

「Next,base!Makoto from Holy Grail!」

 彼女は三本指によるフィンガリング・プレイ。

「Next guiter vocal! Tomo from Hevenly!」

 そして両手タッピングを披露。

「Final,guiter! I'm Ryu from STORM BRINGER!」

 竜二が叫ぶとひときわ響く大歓声の中、全員で合わせて簡単なフレーズをセッションした後、Tomo氏が叫んだ。

「C'mon everybody! Tornade of souls from MEGADETH!」

 その後ドラムスティックによる合図の後イントロの高速リフが刻まれ、いよいよステージとなった。



「おー、これかぁ……またクッソ難しいのを選んできたなあ運営は」
「これなんて曲なんですか?」
「MegadethのTornado of soulsって曲や。めちゃくちゃ難しいねんでこれ」
「へぇ……あんな曲弾けるのね」

 関心するなのは達。ステージからかなり離れたこのエリアでも充分聞き取れるので、動かなくてもいい。むしろうるさいのを好まない人たちはこの辺りが調度いいのだとか。
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