第七話「空中艦 ~fraxinas~」
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
だが、一夏は米神を押さえて唸る。
「んな事実はねえよ。とっと部屋に戻れ。日下部さんに報告するぞ」
「…それは困る」
DEMの社員から、オカン、とあだ名を付けられ、折紙の上司でもある人物の名前を出され、折紙は素直に引き下がる。
折紙が立ち去り、自室に入ると一夏はため息を吐く。
「ようやく、一日が終わりか。長かったな」
「そうねー。一日の筈が、27日も過ぎたような長さだったわね」
「メメメタァ。……おい待て。なんでさも当然のように、お前がそこにいる!?」
一人部屋の筈なのに、いつの間にか侵入して寛いでいる人物、更識楯無に一夏は怒鳴る。
「やぁねぇ。同じ部屋の方が、君を殺れる確率は上がるでしょ?ちなみに、生徒会長権限で、ねじ込んだわ」
「おい、何してくれんじゃ。そんなに俺から安息の地を奪いたいのか?約束の地へ逝かせたくないのか?理想郷を作らせたくないのか?ユートピアも千年王国もアガルタもシャングリ・ラも俺を見放すと言うのか?よろしい、ならば戦争だ」
「応とも。その首、置いて行ってもらおうか」
一発触発の空気の中、楯無は片足を浮かせて、右腕を挙げて左手を胸の前に固定して、シェー、とでも叫びそうな構えをし、相対する一夏は同じく片足を浮かせて両腕を挙げて両肘を曲げて、荒らぶっているような鷹を彷彿とさせる構えをする。
「こいつらときたらー。もう私、キレていいですよね?」
いつの間にか、開けられたドアから虚が、青筋をピクピク浮かばせながら鋼糸で二人を簀巻きにする。
「ちょ、虚ちゃんヤメテ!洒落になんないから!!」
「俺、これが終わったら京都に行こう」
「天誅!!」
「「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」」
その日、IS学園の一画で突如と響き渡った悲鳴は、後のIS学園七不思議の一つとして語られることになったとか、ならなかったとか。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ