第七話「空中艦 ~fraxinas~」
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「おにぃーちゃーん!!」
「ハッハッハッ。可愛いなー、琴里は。だから、飛び付かないでくれ。俺の耐久値と、君のお兄さんと神無月さんからの呪詛でSAN値がなくなりそうなんだ」
自室に戻った一夏は荷解きを終わらせると、折紙から受け取った通信機で〈フラクシナス〉と連絡を取り、直接伝えたいことがあると言われ、簪達と一緒に転送させてもらったのだった。
すると、この〈フラクシナス〉の艦長である『五河琴里』の熱烈な歓迎が待っていたのだった。
ただし、ここにはいないのに勘で琴里がイチャついてると察知する琴里の兄、『五河士道』と、副艦長の『神無月恭平』のシスコンと変態紳士の二人による、呪詛もおまけで。
「それで、伝えたいこととは何ですか?」
「ちょっと待ってね。篝火さーん!」
琴里が艦長席のボタンを押すと、前方の大画面に一人の女性が映った。
『やー、メンゴメンゴ。ダーリン用に用意してたコアが盗まれちゃった。テヘペロッ☆』
白衣の下に『かがりび』と書かれたスク水を着る、『篝火ヒカルノ』の言葉に一夏達は苦虫を噛んだような顔になる。
ちなみに、一夏へのダーリン発言はいつものことなので、スルーされている。
「すると、クラス代表戦は訓練機になるわけか」
『んにゃ、それはこっちで開発した試作機を使ってくれない?あの兎さんの妨害があるかもしれないから』
「結局、ISなら干渉を受けるのは大差ないんじゃない?」
ヒカルノの提案に、一夏達は怪訝な表情を向ける。
『それはノープロブレムさ!ISの技術を元に、夢とロマンと憧れを原動力にして開発した機体だよ』
「へー、どんなの?」
『こんなん』
ヒカルノがなにやら操作すると、画面に機体の全体像と説明が映った。
「こ、これは!?」
簪が興奮のあまり鼻息を荒くし、他の面子はまさかの機体に驚愕する。
その機体とは、頭部は狼を模しており、腹部には紋章が刻まれ、機械というよりも鎧の印象を抱く、神々しい輝きを放っていた。
「……魔戒騎士!!」
「これ、作っちゃって大丈夫なの?」
『大丈夫だ。問題ない。半世紀以上前の特撮番組だしさ。今の女尊男卑の時代じゃ、表に出ないしね』
もはや暴走の一歩手前の簪を余所に、一夏達が版権やら著作権を気にするが、ヒカルノはカラカラ笑う。
「そうね。簪さんの機体も似たようなものだけど、代表候補生だから問題ないのかしら?」
琴里の言葉に、一同は、そういえば、と納得する。
「ヒ、ヒカルノさん!これ、烈火魔装は!?魔道馬は!?心滅獣心は!?」
『おおう。落ち着け、簪ちゃん。全部再現したから』
「ん?ってことは、99.9秒しか戦えないんじゃ?」
魔戒騎士の設定を思い出し、嫌な予感を覚えた一夏は、ヒ
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