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【パズドラ】殴って、青龍カリンちゃん!
【パズドラ】殴って、青龍カリンちゃん! 三話 〜極夜の二匹〜
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なったカリンのレベルを上げるための素材が必要だからな」
「うーん……それじゃ仕方ないネ。腕試しじゃなくて肩慣らしに変更アル」

 極夜の塔、下から数えて四番目のダンジョン。
 そこには誘惑の宴が聴こえるという。
 最深部にいる二匹のモンスターが奏でる甘美な歌声と妖艶の空気に為す術もなく倒された冒険者は数知れず。
 それに負けた者はもちろん、勝った者ですら、二匹の魅力に取り付かれて極夜の塔に足しげく通うのだとか。
 俺もその一人だった。極夜の塔を選んだのは、もちろんカリンのレベル上げが一番だが、それよりも二匹のモンスターが魅力的だから……って言うとカリンは怒るんだろうなぁ。
「本当アル、モンスターの卵がたくさん落ちるネ」
 肩慣らし、と本人は言っていたが、やはりカリンにとってはつまらないのだろう。自分の実力よりも、他のことを気にしている始末だ。
 溜まった卵の量に感心しつつ、最深部へと進んでいく。
 段々と青い闇が深まる中――。
 そこに、二つの影を見つけ出す。
「久しぶりの人が来たよ。セイレーンちゃん」
「そうみたいだね、リリスちゃん」
「どうも、ご無沙汰。最近は休日に金稼ぎをしていたから、なかなか来れなかったよ」
「ふーん。このリリスちゃんを差し置いて金稼ぎ、ねぇ。一時期は私が欲しくて躍起になってたくせに」
「あぁ、毒吐けるモンスターをゲットしたからな」
「毒?」
「うん。メタドラ狩る時に欲しくてさ」
「どういうこと?」
「いや、だから、前はメタドラのためにリリスが欲しかったけど、今は他のモンスターがいるから、あんまり来る気なかったんだよ」
「なにそれ、私自体が目当てじゃなかったの……?」
「えっ」
「……ぐ、ぐぬぬぬっ!」
「リリスちゃん、落ち着いて!」
「あ、でもセイレーンちゃんは欲しかったから、オケアーノ大瀑布には行ってたよ」
「……む、むかつく! こいつ、むかつく! セイレーンちゃん、こいつ殺そう!」
「えっ、な、なんでそんなに怒ってるの?」
「ちょ、ちょっとリリスちゃぁん! こっちまだ準備が……」
「えーい、知るかー! そんなに毒が好きなら、望みどおり出したるわい! こなくそ! 喰らいやがれぇ!」
「リリスちゃん、キャラが崩壊してるよぅ!」
「お、おい、カリン。なんか怖いし、さっさと終わらせてくれよ……」
「ハオラー。いきなり全力全開、フルパワーでいくネ!」
 そういってカリンは、片手を前に、片手を後ろにやって――なんか中国拳法っぽい構え――気を高め始めた。
 カリンの周囲に、青と緑と紫のオーラが現れる。
「心配ない。恐怖を感じる前に倒してあげるネ。――東方七星陣!」
 三つのオーラが一つに混じり、カリンの拳に一点集中。そして、洪水のように吐き出された。
 有言実行。リリ
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