第四十六話 また一人その三
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「人参に玉葱、それに葱を炒めてな」
「えっ、そこまでしてですか」
「インスタントラーメン、袋麺に野菜は欠かせないだろ」
「凝りますね」
「というか食べることはそのまま健康管理なんだよ」
中田は強い声で言い切った。もう上城とのゲームを再開して激しい攻防を繰り広げながらの言葉である。
「だからな」
「野菜はたっぷりとですか」
「そうだよ。それで他の袋麺だとな」
「何がいいですか?」
「好きやねんだよな」
関西名物のその麺である。
「それもいいよな」
「あれですか」
「あれもよくないか?関西人に合い過ぎてるな」
「ですね。僕もあれ好きです」
「東京の方は知らないけれどな」
関西人ならではの話になっていく。インスタントラーメンにしても地域色がありそれがここでも出ているのだ。
「それでもな」
「好きやねんはいいですよね」
「本当にな。後は」
「うまかっちゃんは」
上城はこのラーメンの名前を出した。
「あれはどうですか?」
「うまかっちゃんか」
「はい、あれは」
「俺九州系はな」
「食べたことないですか?」
「いや、好きだよ」
とはいっても今一つはっきりしない、中田にしては珍しい感じの返事だった。
「それでもな」
「好きなんですよね」
「ああ、好きだよ」
このことは否定しなかった。中田にしても。
「それでもな」
「それでもですか」
「あまり食べないんだよな」
「どうしてなんですか?」
「好きなものが同時に一緒に出るだろ」
中田は上城に例えから話した。
「君好きなの何だ?」
「ラーメンの他にですね」
「ああ、二つ出してくれるか?」
「お刺身に唐揚げに」
「どっちかって言われたらどっちにする?」
「お刺身ですね」
その方が好きだというのだ。
「そう言われると」
「だろ?俺もなんだよ」
「九州のラーメンと大阪のラーメンが一緒にあれば」
「大阪だよ」
そちらだというのだ。
「そちらを選ぶからさ」
「九州のラーメンは」
「あまり食べないんだよ。ただな」
「ただ?」
「自分でよく長崎チャンポンは作るな」
この麺類は自分でわざわざ作るというのだ。
「それはな」
「それはどうしてですか?」
「美味いしな」
それにだった。長崎チャンポンに関して言えることは。
「しかも身体にもいいからな」
「お野菜をかなり入れるからですね」
「野菜だけじゃなくて肉も入るよな」
「豚肉ですね」
「それに豚骨スープにも栄養があるからな」
それがどういった栄養かというと。
「豚骨からカルシウムが出るからな」
「それもあって、ですか」
「スープってのは栄養の塊なんだよ」
これはラーメンのスープにだけ言えることではない。スープならどれもがそうだ、じ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ