第三十五話
[8]前話 [2]次話
第三十五話 話が終わって
ケムンパスとワラビはライゾウ、タロと一通り話して部屋の時計をちらりと見てから彼等にこう言ったのだった。
「もう話したいことは話したし時間だしね」
「これでね」
「もう終わりってことでいいかしら、今日は」
「それでいいかしら」
「ああ、もういい時間だな」
「それじゃあね」
ライゾウとタロも二匹の言葉に応える。
「今日はこれでってことで」
「また今度だね」
「ええ、そういうことでね」
「今日はお邪魔したわね」
二匹もこうライゾウとタロに返す。
「今度はこっちのお家に来てね」
「ご主人もそろそろ学校に行けるようになるから」
「ああ、どんな人かこの目で見たいしさ、おいら達も」
「その時はね」
ライゾウとタロも言う、そしてだった。
ケムンパスとワラビは彼女達の家に帰った、お互いに玄関で別れの挨拶をした。
それが終わってからだ、ライゾウは閉じられた家の扉を見ながらタロに対して言った。
「いい連中だよな」
「うん、そうだね」
タロもライゾウの言葉に応える。
「悪い印象はなかったね」
「あのシャム猫のおばさんは随分手強そうだけれどな」
ライゾウは前足を人間の腕の様に組んでケムンパスのことをこう評した。
「それでもいい猫だよな」
「ワラビさんもね、凄く気が弱いみたいだけれど」
「いい犬だよな」
「うん、間違いなくね」
「しかもどっちも頭いいな」
ライゾウは真剣な顔で述べた。
「こりゃご主人も楽だろうな」
「あれだけ頭がいいとね」
「参謀には困らないな」
使い魔は魔女の参謀役を務めることもある、魔法のサポートや偵察、研究のアシスタント等その仕事は多岐に渡る。
「他のことも出来そうだしな」
「凄かったね、どちらも」
「おいらケムンパスさんには絶対に勝てないよ」
「僕もワラビさんには、かな」
ワラビは確かに気は弱い、しかしその心は非常に優しく頭もいい。タロもワラビのそうしたところを見ていたのだ。
「勝てないね」
「タミーノとフィガロの旦那達も凄いけれどな」
「あの二匹以上かもね」
「ああ、あのおばさん達は強いよ」
「凄い使い魔達だね」
タロも犬らしく舌を出しながらライゾウに話すのだった。
そして部屋に戻ってだった。
「じゃあ紅茶を飲みながらな」
「一服だね」
最後にこれを楽しむのだった、とりあえず話は終わった。
第三十五話 完
2013・5・10
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ