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コシ=ファン=トゥッテ
第一幕その二
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第一幕その二

「絶対にそう言えます」
「神に誓ってです」
「女性の操というものはです」
 しかしアルフォンソはそんな彼等に対して思わせぶりな笑顔に対して応えるのだった。
「アラビアのフェニックスのようなものです」
「フェニックス!?」
「してその心は」
「誰もがいると言いますが実際に見た者はおりません」
 こういうことだった。
「何処にいるのかさえも誰も知りません」
「ああ、それはドラベッラのことですよ」
「フィオルディリージのことですね」
 まだ言う二人であった。
「それはつまり」
「何だ、すぐ側にいるじゃありませんか」
「そうですよ」
「ふむ、果たしてどうですかな」
 それを聞いても平然としているアルフォンソだった。
「それは。今も昔も」
「今も昔も?」
「そして?」
「女性の操なぞある筈がないのですよ」
「ですからドラベッラこそが」
「フィオルディリージこそが」
 二人とアルフォンソの言葉は完全に食い違っていた。しかも双方共自信ったぷりにその主張を突き付けあうのだった。互いに一歩も引かない。
「まあドラベッラを見ればわかりますよ」
「フィオルディリージを見れば」
「そう思われるのは結構です」
 しかしここでもアルフォンソの自信は変わらないのだった。
「ですがそれを証明できますかな?」
「僕達がですか」
「そうです。彼女達が心変わりしないと。そう確信を持てますかな?」
「勿論ですよ」
「絶対にです」
 二人は楽しげに笑ってまたアルフォンソの言葉に返すのだった。
「もう付き合ってるからわかりますよ」
「育ちがいいし」
 まずはこう言っていく。
「思慮深いし心は広いし」
「気心は知れているしふらつかない性格ですよ」
「ですから断言できます」
「そう、何があっても」
「涙に溜息に口付けに失神」
 しかしアルフォンソは二人の言葉を聞いても相変わらずの調子であった。
「そういうものしか感じませんが」
「ですから貴方はそもそも以前に何かあったのですか?」
「余程酷い失恋をされたとか」
 いい加減二人もこう思ってきていた。
「ですからそんなに」
「女性の操を、二人を信じないのですか?」
「私のことは宜しいでしょう」
 アルフォンソはこの二人の言葉はあっさりとかわした。まるで闘牛士のように。
「しかしです。その証明ですが」
「二人がフェニックスであるということの証明ですね」
「アラビアにいるという」
「そうです。それの証明は」
 アルフォンソはあくまで二人に対して言う。
「ではしてみせましょうか」
「ええ、是非共」
「賭けますか?」
「では百ツェッキーノ」
 アルフォンソは二人の問いに応えて述べた。
「それで如何でしょうか」
「千でもい
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