フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第五十八話 常識と非常識
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ウを操作して、メッセージを覗き込むリーファ。だが、そのメッセージに眼を通した途端、ソレイユの聴覚がある音を聞いた。
「なんだこりゃ」
メッセージに眼を通していたリーファが声を上げる。それに反応したのはキリト。
「エス・・・さ・・・し・・・す・・・うーん」
「どうしたの?」
「つか、なんか近づいてくるぞ」
「「え?」」
「ユイ?」
「はいです、にぃに!にぃにの言う通り接近する反応があります」
「モンスターか?」
「いえ――プレイヤーです。多いです・・・十二人」
「じゅうに・・・!?」
それを聞いたリーファは絶句する。通常の戦闘をするにしては多すぎる。これは明らかに実力のあるプレイヤーを排除しにかかろうとしていることがうかがえる。
「やっぱトレーサーがついてたか・・・」
そこから即座に魔法の詠唱に入るソレイユ。威力重視の直線軌道型の魔法であるが、トレーサーの使い魔を屠るには十分である。詠唱が終わる直前にトレーサーにタゲを向けると、魔法を放ちトレーサーを破壊する。
「どうするよ、隠れても恐らく無駄そうだよ?」
「街まで走るよ、二人とも!!」
「隠れるのはだめなの?」
もっともらしいことを聞くキリトだが、リーファは首を横に振った。
「隠蔽魔法を使ったとしても、高位の索敵能力者がいたらとても隠れきれない。それにさっきソレイユ君が倒したのは火属性の使い魔なの。ってことは接近しているパーティーは
・・・」
「サラマンダーか!」
察しのいいところを見せるキリト。そのやり取りの間にも足音と鎧の金属音は大きくなっていく。リーファがソレイユとキリトの二人に視線を送ると、二人はリーファの言いたいことを察して頷いた。それから、マップを確認しながら一目散に洞窟を駆け抜ける三人。どうやらこの一本道はもうすぐ終わり、その先に大きな地底湖が広がっているらしい。鉱山都市ルグルーまで逃げ切れればいいのだが、そう簡単にはいかないだろうなーなんてことを考えながらソレイユは二人に合わせて走る。
「今回のことどう思う、ソレイユ君」
「一番可能性が高いのはシルフ領の中にサラマンダーがいたということだな」
走りながら現状の原因を探るソレイユとリーファ。もし、ソレイユの仮説通りだとしたらどうやって入り込んだのかなどなど、リーファが頭を悩ませていると――
「お、湖だ」
前方を走るキリトの声がそれを中断させて意識を引き戻した。前方には仄かに光っている青黒い湖水の中央を石造りの橋が一直線に貫き、空洞の天井までつながる巨大な城門がそびえ立っていた。
「あの城門まで行けばいいのか」
「逃げ切れそうだな」
「油断して落っこちないでよ。水中に大型のモ
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