第八十五話 【Fate編】
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俺が手を下さなくても何処かでサーヴァント同士がぶつかり合い脱落していくだろう。それは回避のしようが無い。
確かめるためには一度聖杯を起動した上でその器を破壊しなければならないが、霊体である俺が汚染された聖杯の中身を受けて無事でいられるだろうか?…それは今考えるべき事ではないか。
今考えるべきは目の前のこのサーヴァントをどうやって追っ払うかだ。
そう、まずは様子を見なければ成らない。どれほど状況があれを参考にして良いのかを。それにはまずこいつをここで脱落させるのはマズイかもしれない。
…とは言え、俺がイレギュラーとしてここに居る時点で大幅に変わってしまっているとは思うが…
「チャンピオン。そのサーヴァントを倒しなさいっ!」
「了解した。マスター」
イリヤに命令されたのならば戦う他はない。彼女を守る、彼女の意思に従うと言う事に関しての強制力は強い。これに逆らうと目の前の敵から逃げる事もままならないほどに能力がダウンするだろう。
「ああ?チャンピオンだぁ?おめぇセイバーじゃねぇのか。イレギュラークラスって奴か」
少しがっかりしたかのように肩をいさめるランサー。
『アオさん、相手はランサーなんだよね?』
と身のうちより念話のような声が聞こえる。
俺のこの身のうちで眠っているなのはがこの騒動で起きたらしい。
『なのはか…ああ、その様相を比べればおそらくクー・フーリンで間違いないだろう』
『代わってもらえないかな。日本刀で長槍を相手にするのは難しいし、わたしも槍の英霊とは戦ってみたいもの』
俺は心の中ではぁとため息を吐き言葉を続ける。
『危なくなったらイリヤを連れて離脱。それとセイバーの存在を確かめていないからまだランサーに脱落してもらっては困る、上手くやって』
『はーい』
そう言うや否や俺の体は歪み、俺の魂は引っ込んで、代わりに白と桃色の龍鱗の甲冑を着た女性の姿へと変貌した。
◇
訪れた冬木の地で始まった聖杯戦争。
わたしとチャンピオンにとっての初戦は蒼い服に紅い槍が対照的なランサーのサーヴァントだった。
あまりやる気の感じられないチャンピオンに魔力で言霊を紡ぎ命令する。
「チャンピオン。そのサーヴァントを倒しなさいっ!」
「了解した。マスター」
チャンピオンは仕方ないと答える。
マスターと呼ばれたことにわたしは少しショックを受けた。マスターと呼ばれたのなんて召喚当日のみ。後はいつもわたしの事は名前で呼んでいた彼。
刀の柄に手を添えたチャンピオンの姿がいきなりブレると、その甲冑が変化し始める。
「え?何?チャンピオン?」
銀色の甲冑は形を変え、桃色の龍鱗の甲冑へと変化する。それに伴い彼の
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