第八十五話 【Fate編】
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知名度による補正が入らないと言う事。つまりあなたは呼び出されたサーヴァントの誰よりも補正が無いのよね」
「いや、そうでもない。俺の切り札はこの日本では途轍もない知名度を持っている」
「はぁ?なにそれ。あなた西洋の人では無いと思っていたけれど日本人なの?」
そう問い返したイリヤの言葉に返答する暇はどうやら無さそうだ。
少し遠くにサーヴァントの気配を感じる。
サーヴァントはサーヴァントの気配を感じ取れる。俺の知覚距離の補正は高く、昼間のうちから俺達が人通りの少ない所に行くのを狙っていたようだった。
俺はずっと付けねらっていたそのサーヴァントが此方に距離を感じ、イリヤを背にして方向を変える。
食後の散歩にと出歩いた俺達は簡素な倉庫街で迎え撃つべく移動していたのだ。
俺の表情が変わったからだろう。イリヤもどうやら敵の接近に気がついたようだ。
「サーヴァントが来たの?」
「…ああ。どうやら俺達の聖杯戦争の初戦になりそうだ」
「そっか」
イリヤを庇いつつ俺はソルを手に取ると起動して出迎えの準備を整える。
「ソル」
『スタンバイレディ・セットアップ』
一瞬閃光が走ると銀色の龍鱗の甲冑が現れ俺の体を覆った。
腰につるしたソル本体の鯉口を切り来訪してくるサーヴァントを待ち受ける。
『ロードカートリッジ・サークルプロテクション』
その間に一発ロードし魔力を充填するとイリヤにサークルプロテクションを張りガードする。
これでサーヴァントの攻撃以外ならば相易々とイリヤを傷つけられないだろう。
とは言え、これから来るのはサーヴァントなので気休め程度でしか無いだろうが、そもそもマスターを狙われれば人間の魔術師であるマスターはサーヴァントに対抗できようものも無いのだからこのプロテクションは相手のマスターからの魔術への防御と言う事になる。
スタッと軽い乾いた音と共に倉庫の上を駆けて来たのか、何者かが着地し俺達から8メートルほどの距離をあけて着地した。
「ほう、これはまた俺も中々運が良い。のっけからセイバーとやりあえるとはなっ!」
俺が持っている武器はまぎれも無く剣の部類に入る日本刀を模している杖でありセイバーと間違われるのも道理だ。
対して目の前の男は後ろ髪を束ねた長髪に青い戦装束、銀色の肩を守るだけのアーマーにその手には紅い禍々しい槍を持っている。
見まごう事も無くランサーのサーヴァントだろう。
さて、ここで俺が取るべき行動は何であろうか。
聖杯が汚染されている可能性を考えればベストなのは一騎も脱落せずに聖杯戦争が終わる事だが、それは無理な相談だろう。汚染されていると言う確証は無く、相手にしてみればそれは只の絵空事の虚言に聞こえる
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