第八十五話 【Fate編】
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、それでも聖杯戦争開始まで一月半。それなりの数が揃うはずだ。
夜。イリヤは就寝した頃合を見はかり、俺は人目の着かないところへと移動して実体化する。
昔、深板達と作った二本の映画をソルの記憶領域から引っ張り出してもらい再生する。
『Fate/stay night』
これはSAOに閉じ込められた時にあの気持ちの良いバカたちと一緒に撮った二本の映画のタイトルだ。
今俺が置かれている状況。それはこの映画の雰囲気と多くの所で類似する。
聖杯戦争。
七人のマスターと七騎のサーヴァントによる殺し合い。
最後の一組になるまで相手を打倒し、残った一組が聖杯を手に出来ると言う魔術儀式。
「イリヤスフィール…バーサーカー…おそらくこのバーサーカーの代わりに俺がサーヴァントとして召喚された、と言う事だろう」
『その可能性が高いです』
と俺の胸元で待機状態のソルが俺の言葉に相槌を入れた。
「召喚入れ替え系か…いや、今回の事は問題はそこでは無く、聖杯が汚染されているかもと言う事か」
『仮定の話ですが、可能性は大きいかと』
「だね」
汚染された聖杯はそれ自体が厄災であり、イリヤが聖杯として完成されたときにはイリヤ自身がどうなるか分からない。
とは言えそれは可能性であって確定事項ではない上に俺が持ち合わせているこの情報が劣化したものだと言う事実だ。
この作品は俺達が本来いた最初の世界の創造物をさらに劣化させたものだ。つまり、既に別物として仕上がっている可能性が高いと言う事。
「このストーリーは参考程度と言う認識でないと危ないかもしれないね」
思い込みや決め付けは危険だ。
さて、どうやらこのアインツベルン家の当主。あの召喚の時に居た爺、名前はユーブスタクハイトと言ったか…彼は俺達に既に何の期待もしていない。
それでも万が一はと考え、今回の聖杯戦争にはイリヤを参加させるようだった。
イリヤもその命令を受け入れ聖杯戦争への参加を表明している。彼女には彼女の理由が有って冬木の街には行きたい様だった。
問題は多い。
俺の戦闘継続時間の問題を抜きにしても俺自身の問題として彼女、イリヤスフィールの命令には逆らい辛いと言う現状だ。
この事態には良く分からない物がある。…おそらく俺達の中に入り込んだ不純物がそうさせているのでは無いかと当たりを付けているが…はっきりとはしない。
そう言えば語らなかったがソラ達はどうなったか。
彼女達の魂は今俺の中で眠っている。何かの拍子に起きる事も有るので彼女達の内何人かは覚醒しているのだが…それは今はいいだろう。
時は一月の終わり。ついに俺達はこの雪に閉ざされた城を出て冬木の地へとおもむく事になった。
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