第八十五話 【Fate編】
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しかよっ!?」
その声は男のもので、わたしが召喚したアオと名乗ったあのチャンピオンだった。
「ねぇ、どういう事なの!きっちり教えてもらうんだからねっ!」
わたしはガァーとまくし立てチャンピオンに迫ったのだった。
◇
さて、困った…ランサーの撃退には成功したのだが…彼の騎士を相手にしたのは俺の中で眠っていたなのはだった。
確かにあのランサーの宝具の特性を考えるに、まつろわぬアーサーから簒奪した権能を有するなのはの方が適任ではあったのは確かなのだが…イリヤに対してどう説明するか…
目の前のイリヤは怒気を含んだような表情で目を吊り上げていて、嘘は許さないと言う感じがひしひしと伝わってくる。
「簡単に言えば、チャンピオンと言うサーヴァントの器の中には複数の魂が込められている。普段表に出ているのは俺だが、さっきのように他の奴が表に出てくる事も可能だ」
「それで?さっきの彼女は?」
「彼女は俺達の中で一番長物の扱いが巧い。相手が槍の英霊とあれば是非とも戦ってみたかったんだろう。…実際、あのランサーの宝具との相性は良かった」
「あのすり抜ける能力の事ね」
「ああ」
なのはのまつろわぬアーサーを倒して簒奪した能力。『虚構の幻像・クリアボディ』は自分の体を他次元に置く事により現実世界の干渉の一切を受け付けなくする。事実上傷つけられない能力だ。
一見無敵のような能力だが、しかし、この能力にも弱点は存在する。
発動には現実世界への干渉をゼロにしなければならず、行使した場所からほとんど移動する事は出来ない(会話や体を動かすくらいは出来る)し、魔法や念能力の継続は不可能である点がある。この能力は現実からの一切の干渉を受け付けないが、発動中は逆に現実世界にほとんど干渉出来ないのだ。
それにこの能力は1か0。つまりクリアボディを一部のみ発動すると言う事は出来ない。これは特にデメリットでは無いように感じるかもしれないが、接近戦では一部の透過が出来ないと言うのはそれはそれで扱い辛いのだ。
それに決して破られないと言うわけではない。その干渉されないという事実に干渉する能力の前では意味を成さない。また、不死属性の具現の為、不死を殺すと言う概念のある攻撃にも弱い。
英霊と言う宝具の前では決して無敵と言う能力ではないのだ。…まぁ、それでもゲイ・ボルグの一撃には優位に働いたのだが。
「と言う事は、あなたの中にはそれぞれに特化した魂がまだ眠っているの?」
「そう言う事になる。…とは言え、習得している技術に差異は余り無い。基本スペックは同じだと思ってくれて構わない」
「ふーん。まあいいわ。チャンピオンが強いって事に変わりは無いんでしょう?」
「さてね。英霊と言うのは化物ばかりだ。
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