第八十五話 【Fate編】
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現れた魔力障壁が幾重にもチャンピオンの前に現れて魔槍の着弾を防ごうと現れるが、拮抗すら許さずその全てを一瞬で打ち破り、ついに魔槍はチャンピオンの体を刺し貫いた。
「チャンピオン!?」
轟音が響き、粉塵が巻き上がりわたしの視界を埋め尽くす。
「大丈夫っ!?負けてないよね?チャンピオンっ!?」
わたしは心配になって声を張り上げた。心のどこかで、あんな攻撃を受けたのなら倒されてしまっているのではないかと言う不安がよぎる。
その不安に押しつぶされそうになりながら粉塵が晴れるのをひたすらに待った。
「ちっ…不死属性の宝具持ちかよ…」
粉塵が晴れるより早くランサーの悪態を付く声が聞こえてきた。
着地したランサーはショックの表情を隠しきれない。
粉塵が晴れる。
わたしはすぐにチャンピオンへと視線を走らせる。するとそこには紅い魔槍に胸を貫かれているチャンピオンの姿があった。
しかし、貫通しているのだが、ダメージを負っている気配は無い。
まるであの魔槍が幻影であるかのようだ。
…いや、それは逆なのだろう。チャンピオンの方が幻影のように揺らめいている。
チャンピオンを貫いて地面に刺さっている紅い魔槍(ゲイ・ボルグ)は何かに引っ張られるかのように地面から離れるとクルクルと回りながらランサーの手へと戻っていた。
その時もチャンピオンはその紅い魔槍を透過させていた。
「宝具を使うからにゃ必殺じゃなきゃいけねぇのによぉ…相性最悪だぜ…たく。まさか、現実の干渉を受け付けねぇと来たもんだ」
「にゃはは…昔、不死の伝説を持つ騎士からぶんどった能力なの」
「おめぇが何処の英雄か俄然興味が湧いてきたな。不死の伝説を持っている英雄となればそう多くねぇ。が、女性で槍の使い手となるとさっぱりだ」
さて、仕切りなおしかとチャンピオンはその槍を構えるが、ランサーが突然悪態を付き始める。
「ち、俺のマスターが今日は戻って来いってよ。わりぃがこれで分けって事にしねぇか?」
「そうですね。この決着は次回に持ち越しと言う事で」
「お、話が分かるねぇ。そう言うやつは嫌いじゃねぇ。んじゃ、まぁ…あばよっ!」
とランサーは言うと実態を解いて霊体化し消えていった。
気配が遠ざかるのを感じ取ったチャンピオンはわたしを保護していたシールドを解除し、わたしに寄ってきた。
「それで、あなたは誰なの?」
わたしは憮然とした感じでチャンピオンと名乗った彼女に問い詰めた。
「ゴメン、ちょっとまだうまく馴染んでないからアオさんに変わるね。詳細はアオさんに聞いて」
と言うや否やその女性の輪郭がぼやけると、銀の甲冑に身を包んだ騎士の姿に変わった。
「って、俺に投げっぱな
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