第八十五話 【Fate編】
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の言葉だけは口からすんなり出てきた事に自分でもビックリしている。
「ええ。私があなたのマスターよ」
そう答える少女とは別にこの部屋に居る人物。見たところ髭をはやした年配の老人の男性が驚愕を洩らしている。
「ば…ばかな…バーサーカーのクラスのサーヴァントにはまともな会話能力は無いはずなのに…」
バーサーカー。冬木で行われる聖杯戦争におけるクラスの一つか。彼らはバーサーカーのクラスのサーヴァントを欲していたのか。
「ねぇ、あなたは何のクラスのサーヴァント?」
目の前の少女もその老人の呟きに不信感をつのらせたらしい。
「ふむ…」
そう言って俺は会話に間を取ると、自身のクラスを刻まれた知識から引っ張り出す。
「どうやらチャンピオンのクラスだな…なるほど、この単語には確かに因縁を感じる」
チャンピオン…イタリア語ならカンピオーネだからね。
「チャンピオン?バーサーカーじゃないの?」
「聖杯戦争に必ず呼ばれるのは三騎士と呼ばれるセイバー、ランサー、アーチャーの3クラスだけだろう。その他がたびたび変わる事があると俺に刻まれた情報に記されているよ」
「イレギュラークラスか!?」
俺の返答にそう大声を上げて驚いたのは目の前の少女ではなく、奥に居る老人の方だった。
「いや、まだだ…あの者が目論見通り彼の大英雄であるのなら、イレギュラークラスと言えど問題ない…イリヤ」
はい、と答えた後イリヤと呼ばれた白い少女は俺に言葉を放った。
「あなたはギリシアの大英雄、ヘラクレスよね?」
ヘラクレス…神話に詳しくない人でもその名を一度は聞いたことが有るだろう。…カブトムシとかで。
その名も高き大英雄ヘラクレスを召喚したと信じている目の前の二人にどう告げればよいのか…
さて困った。…俺は少しの間逡巡したが、黙っていてもその質問だけは返答するまで何度でも繰り返されそうなので正直に答える。
「違う」
「なっ!?」
俺の言葉に一番衝撃を受けたのはその老人の男性だ。
「ならば何者だ!?」
「あなたに答える必要性を感じないが?」
と答える俺にその老人は白い少女へ険しい視線を投げた。
「答えて。あなたの真名はなんて言うの?」
面倒だから誤魔化すかと考えた瞬間、俺の体を強力な呪力が襲い掛かり、電流が流されたような衝撃を受ける。
「っく…」
…なるほど、あの少女は余程強力なマスターなのだろう。彼女の命令に逆らうと体の自由を奪われるほどの衝撃を受けるようだ。
「アオ。それが俺の名前」
答えた瞬間俺を苛んでいたものが解け、苦痛からも開放される。
「アオ?あなたは何処の英雄なの?」
「さて…俺はこの世界に名をはせた
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