第5章 契約
第66話 おまえの名前は?
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は有りませんか。
それで、この俄かに降って涌いたようなガリア王の隠し子の話は、どうも、この二人や、ジョゼフ王。その他ジョゼフ派の主だった貴族連中が結託をして、居もしない王子が、さも居るかのように装っているような気もするのですが。
何故ならば、俺は農作業に明け暮れた夏休みの間、アリアから、弟の話など一度も聞かされた事は有りませんから。
確かに、情報の漏えいを防ぐ意味から、箝口令が敷かれていた可能性も有るのですが……。
しかし、ジルが言う所の優秀だと言われる王子が為した事と言うのが、
ワラキア侯のベレイトの岩塩採掘奴隷の暴動を未然に防ぎ、
東薔薇騎士団のクーデターを、カウンター・クーデターで阻止。
ラグドリアン湖の精霊と新たな盟約を結び、ガリアにのみ、水の秘薬の独占販売の権利を約束させ、
今回のガリア両用艦隊主力の王都リュティスを灰塵にする計画を阻止する作戦でも、主導的な立場でその手腕を発揮した、……と言う事に成って居るのですが。
それって、イザベラの事じゃないのですか?
確かに、本当に、そのルイ王子が存在するのなら、イザベラが為した事を、その王子の手柄として発表するのは問題がないと思いますが……。
それに、王家の血を引いて居ない人間にも一人、その王子様の行った成果だ、……と言われている事を、不満ばかり口にしながらも熟した人間が割と近くに居るのですが……。
もしかして、悪人どもはそいつに王子の役を演じさせる心算なのでは、などと勘繰ったりしているのですが……。
何故ならば、ジョゼフが覚醒した夜魔の王ではない、と確実に言えない以上、彼の寿命が普通の人間の数倍に相当する可能性も少なくは有りません。
その間、ずっとジョゼフ一世が在位し続けるよりは、居もしない王子をでっち上げて置いて、頃合いが見計らって、そのジョゼフ一世が退位。そして、息子のルイ何世が即位する、と言う事を繰り返せば、不自然な部分はあまり発生しませんから。
このハルケギニアにはマスコミは存在しませんから、王と王子の醜聞を調べて、面白おかしく書き立てる新聞など存在しては居ませんからね。
この場合は醜聞と言うよりも、むしろ怪談話に近い内容と成るとは思いますが……。
「そうですか。それでは仕方が有りませんか」
そう、答えてから、続けて感謝の言葉を告げて置く俺。
但し……。
但し、そのガリアの王子様と言う存在に直接会うまでは、この中途半端な状態からは脱する事は出来ないのですが。
タバサの使い魔として召喚されてから、ずっと巻き込まれ続けて居るこの厄介事が、新たな局面を迎えたような、そんな不安感から抜け出す事が……。
そう考えた瞬間、上空では、模擬空中戦を行っていた強
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