第5章 契約
第66話 おまえの名前は?
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だ存在が少女の死を願う。これは明らかに呪詛。疫病の形を取ってはいますが、可能性としては呪詛の可能性が高いと言う事だと思いますから。
但し、因果の糸を辿って疫鬼が訪れる為に、例え彼女を結界の内側にて守ったとしても、確実に守る事は出来ません。
その理由は、因果の糸とは、例え次元を超えた存在との間でさえも繋がり続けて居る物。これを断ち斬る方法が俺にはない以上、それを辿ってやって来る疫鬼を完全に防ぐ方法は俺には有りませんから。
一応、時間稼ぎのような方法を施した後にこの事件の……。この異界化現象の核を早急にどうにかしなければ、死亡者が増える一方に成りますから。
そして、この異常事態の一番問題が有る点は……。
「ノーム。土地神たち……。街道を護る道祖神や、橋と境界線を護る橋姫。この土地を護る産土神たちに、疫鬼がこのブレストの街に侵入する事を防ぐように依頼したんやろう?」
少しの間、思考の海に沈み込んでいた俺が、誰も居ないはずの場所に向かってそう問い掛けた。
その瞬間、突如、盛り上がる床。
いや、床自体が盛り上がって来た、……と言う訳では無く、床から何モノかが顕われて、実体化したと言い直すべきですか。
そう。次の瞬間の俺の目の前には、小さな、しかし、がっしりとした体格を持つ大地の精霊ノームが顕われていたのだ。
「はい。全ての土地神たちには、ブレストの産土神から異質なモノ……。疫鬼などの住民に害を為す存在が簡単に入り込めないように監視の目を強化する事が伝えられて居り、その指示通りに自らの職務を遂行していると思われます」
手先が器用で、愛想が良く、人間の友達となる。……と伝承で語られている通りの律儀さで答えを返して来るノーム。
但し、この答えは異常。
何故ならば、
「だとすると、この一瞬一瞬の間にも患者が増えて行って居る状況は一体……」
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