第5章 契約
第66話 おまえの名前は?
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召喚及び、シアエガ召喚事件が同時に起きた九月のスヴェルの夜の結果、ガリア両用艦隊所属の優秀な船乗りの数が一気に半数以下にまで減らされ、更に、主力艦隊に所属するべき飛行船も存在しなくなり……。
ガリアの防衛力の立て直しが急務となった結果、その事件の解決に当たった俺と湖の乙女が、そのままガリア両用艦隊の再建まで命令された、と言う状況なのですが。
尚、ガリア政府はこの事態の顛末を高札やおふれなどの形で公に発表しています。
曰く、何者かに扇動されたガリア両用艦隊主力が起こした暴動は、一夜の内に完全に鎮圧された、と。
そして、首謀者の名前アラメダ司祭こと、デルブレー子爵弟アンリ・ダラミツの死亡と、そして、彼が禁呪指定とされていた、精神を支配する魔法を使用していた事も同時に発表されました。
更に、彼とオルレアン大公が懇意にしていた事。そして彼が、その大公暗殺の実行犯の可能性が非常に高い事も同時に発表されたのでした。
これで、ガリア国内に燻って居たオルレアン大公に関する謀反疑惑は一掃される事と成るでしょう。
実際、一人の禁呪の能力がガリア両用艦隊のクーデターや、ブレストの街の暴動を引き起こして見せたのです。この事実を知った人間。主にジョゼフ派の貴族達は、オルレアン公シャルルの精神が操られて居たとしても不思議ではない、と考えるでしょうから。
それに、イザベラはおそらく、そう言う方向に世論を導くと思いますしね。
尚、もうひとつの命令。潜入捜査員00583号の行方に付いては、既に処分された後でした。
確かに、精神を操る事がアンリ・ダラミツには可能だったと言う事なのですが、もしかすると、それは全ての人間に対して効果を発揮する類の魔法と言う訳ではないのかも知れません。
何故ならば、彼が全ての人間を操る事が出来るのならば、もう少し、効率の良い方法や、ジョゼフ王本人を操る事さえ可能なはずですから。
まして、夜魔の王と言う存在は、精神系の魔法を得意とする連中ですから、当然、普通の人間よりは精神支配に対する耐性の方も備えているはずですし……。
そして、その潜入捜査員。俺の前任者としてブレストに潜入して来ていた00583号と言う人間が、生物学的に人間で有った保障は何処にも存在していないのが、このガリア王国と言う国の裏側の部分ですから。
「いえ。一応、ダンダリオン卿に知識を詰め込まれていますから、何故、飛空艇が飛べるのかを知っては居ます」
俺の問いに対して、騎士として礼節を知る者の態度でそう答えてくれるジル。もっとも、どう考えても、彼の方が身分は上ですし、更に年齢も上。
それでも、この対応で接してくれる最大の理由は、彼ら。生き残ったブレスト所属のガ
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