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恋姫〜如水伝〜
最終話
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華琳私室

如水は今までの諜報の結果を、華琳に報告した。
「呉と蜀が、攻守同盟を結ぶ様だ。目的は言うまでも無いだろう」
「私達への敵対でしょうね」
「ああ、二つが組んでようやく、こちらの半分の兵力だ。それに、孫家は、孫策の件もある。孫権がこちらに敵対してもおかしくは無い」
「劉備もこのまま黙っていないわ、呉と蜀と戦うとなれば、これからの戦いは国内の紛争ではなく、国外への遠征に為るわ」
「そうだな。だが、それを制すれば君は大陸の覇者だ」
「ええ、最初の目的は孫呉を討つわ」
「そうだな、劉備は今、南蛮平定に国力を注いでる。そこに付け入るより、安定している孫呉を討つ方が大義が作れるだろう」

その会話から数ヶ月後、呉と蜀が同盟を組み、魏への攻守同盟を結んだ。曹操はその同盟を受け、激怒を演出し。魏に敵対した蜀の劉備と組んだ、呉の孫権を討つ為、洛陽を発し、四十万の兵を向けた。

曹操は軍を左右二手に分け、第一軍は二十五万を華琳自身が指揮し。第二軍十五万は春蘭が指揮し、合流地の赤壁に向かった。

曹操軍の威容を見て、呉を見限り。魏に下る者が後を絶たなかった。

曹操軍本陣
「各地で呉を見限り、こちらにつく者が多いな」
「当然だ、華琳様の偉大さを知れば、誰だって臣下に下る」
「…言い方は変ですが。春蘭殿の言う通り、これだけの規模の軍容を見れば怯えます」
「せやけど、それでも対抗するちゅう事は、かなり気が強いちゅうことや。残りの奴らの方が手強いっちゅう事や」
「そうね、敵も対岸に配置している。そちらの方が厄介ね」
「そうですね〜。兵力差は歴然なのに、こちらと戦う気ですから」
「何か考えがあるのでしょう、でなければ。このまま建業に進軍しましょう」
「そうね、こちらは船での戦いは圧倒的に不利だわ。向こうは必ず、それを狙うわ」

そこに、孫権側から投降して来た将が居る、との報告が駆け込んだ。
「黄蓋という者がこちらに投降して来ました」
「なに!黄蓋が」
報告を受けた春蘭らは驚いたが、如水だけは驚かなかった。
黄蓋の報告の内容では、周瑜のやり方と対立した結果。曹操軍に下ると決意したらしい。
「華琳さま、これは天運が味方しています、すぐさま眼前の孫権軍を討つべきです」
諸将は口々に開戦を唱え、黄蓋の技術を持ってすれば敵の主力を壊滅出来ると述べた。
そんな中、如水は反対意見を述べた。
「黄蓋殿の報告では、建業は現在、空らしいです。私の諜報でも同じ事を報告しています。この際、彼らを捨て置き、十万を監視にし、三十万の軍で相手の領土を全て奪えば面白いと思いませんか」
その言葉に黄蓋は驚き、自身の為にもここで開戦して欲しいと述べた。
「黄蓋殿、我々は貴女の為に、戦っていません。全ては主、華琳の為です。私怨で兵を動かしては
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