十八話
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そういえば他の人達を待たしてしまったなと、ふと隣のテーブルに視線を移す。
「半熟卵のカルボナーラ、石釜焼きピッツァ、羊の香草包み、特攻野郎の爆弾チキン、店長の半生ぶつ切り青春ラーメン、フライドポテト大盛り、イチゴパフェ。以上でよろしかったでしょうか」
「はい」
いいえ、よろしくないです。
「半熟卵久しぶりですね」
「燻製肉は飽きたからうめー」
「辛い! 次の一口が怖い! けど止まらん!!」
「塩辛いな。それに少し苦い。まずいというのに、なんだこの涙は……」
「んっ……冷たくて、甘い」
「……エリス」
シンラの声に、カルボナーラを食べているエリスがこちらを向く。
「ずっと保存のきく物ばかり食べていましたので、色々と食べたくなりました」
「うん、それは分かる。でもさ、隣で真面目な話をしているんだからさ、こう……いや、いいや。好きに食べてくれ」
「言われずとも」
「はぁ。こっちも何か頼もう。決まったかい?」
「え? ああ、はい。じゃあこれで」
シンラのと合わせ、いくつか注文する。
「料理が来るまで有る程度時間がある。次の話でもしよう。レイフォンはこれからどうするつもりなんだい?」
「グレンダンへ帰ります。なので、バスが来るまでヨルテムで時間をつぶします。シンラさん達は?」
「一週間ほどここに滞在するよ。色々と揃える物もあるしね。その後都市を出るつもりだ。次の行き先がグレンダンなら乗せて上げることも出来たけど、違うからね。グレンダン行のバスは確か十日後ぐらいだったはずだから、大体一週間後に本当にお別れだね」
シンラが一枚の紙を渡して来る。
見れば、どこかの住所が書かれている。
「僕の故郷での住所だ。僕当てに出せば、その時滞在している都市の住所に向けて親が送ってくれるようになってる。実家との定期連絡はその為の物だしね。何か面白い事や不思議な事件でもあれば、是非教えてほしい」
「なら、僕の住所も」
「ああ、レイフォンのは知ってるからいいよ。前聞いたし」
言ったっけ? と思いながら住所の紙を仕舞う。
「さて、ではとても大事な話に移ろうか。といっても、そう時間は掛からないがね」
シンラが言う言葉に、まだ何かあっただろうかとレイフォンは疑問に思う。
「何の話ですか?」
「ああ、彼女だよ」
シンラの視線の先に目を向ける。
その先にはレイフォンのすぐ隣、一つ横の椅子に座るアイシャの姿があった。
ポテトをフォークで刺していた彼女は視線を向けられ小さく首を傾げる。
「エリス」
「はい」
「それと、皆も食べながらで良いから聞いといてくれ」
手は止めないものの、皆の意識が向けられるのが分かる。
「話って言うのは簡単な事
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