暁 〜小説投稿サイト〜
もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
もしも最強の騎士の力を手に入れたら・・・?
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がリリカルワールドなのだろうか。

《聞こえるか、少年》

不意に自分の頭の中に直接響くようなダンディーな声が聞こえた。

「誰・・・ですか?」
《先ほどの男が、「能力の一部をデバイスに変えた」と言っていたろう。わたしがその”デバイス”という媒体に宿る意思・・・少年に助言をするのが私の仕事だ》
「・・・良く分かりませんが、分かりました」
《今は分からなくともよい。それよりも、この部屋の向こうに複数の人間がいる・・・気配からしてゴロツキの類だ》
「えっ・・・!」

血の気が引く。僕は小学生の身だ。ごろつきに絡まれれば為す術など無い。しかもこの部屋には出入り口は一つしかないようだった。だが続くダンディーな声が僕に落ち着きを取り戻させた

《我々の力があれば追い払うのは可能だ。だが、顔を覚えられると少々面倒になる》
「・・・あのオジサン、本当に力を?」
《そうだ。少年よ・・・私を使えば顔を隠すことが出来、体格も誤魔化すことが出来る・・・私を掲げよ》
「はっ、はい!!」

僕は急いでポケットからダンディーさんを取り出す。ダンディーさんは真赤なリボンが付いた黒真珠のような姿だった。

《唱えよ・・・”汝、身の程をわきまえるべし 漆黒(ブラック)騎士(ナイト)、顕現”》
「な、汝身の程をわきまえるべし!ブラックナイト、顕現!!」

こうして僕の躰は眩い光に包まれ、気がついたら・・・体が大きくなっていた!

「確かにこれなら僕だってばれないよね!・・・身体の割に声が元のままだけど」
《それは、致し方なし》

こうして僕はドアノブを回し、狭い部屋から抜け出した。
・・・・・・頭が扉の上にぶつかりそうになって焦った。



 = =



ただ年端もいかないガキを一人攫い、指定の時間まで待てばいいだけの楽な任務だった。
それなりに裏の仕事をしてきたが、これだけあっさり終わる仕事も珍しい。だが、楽ならそれが一番だ。この世界で一番やってはいけないのは欲張りと不要なリスクを冒すこと。それだけ守ってれば、それなりの金が手に入り、マッポーからも逃げられる。

そんなことを考えながら、ふと一緒に雇われた男がクライアントと通話しているのを盗み聞きした。

『こちらからは迎えに行けなくなりました・・・何せこの騒ぎですから』
「さっきちらっと外の様子見たよ。すぐ消えちまったが、ありゃなんだったんだ?」
『残念ながら心当たりはありませんね。ですが問題はあれのせいで町中が大混乱になっており、ターゲットを運び出せるのがあなた方しかいないという事です』

―――話から察するに、町で何かが起きたようだ。まぁもう収まったようだから俺にはあまり関係ない。
ターゲットのガキを横目で見る。涙を流しながら震えるその姿を
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