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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
もしも最強の騎士の力を手に入れたら・・・?
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〜???〜

『おめでとう!あなたが記念すべき3人目のチート転生者です!』
「一番とかじゃないのに『記念すべき』なんですか?」
『一先ずこれで区切りだからね』
「???」

良く分からない人だ。・・・人、なのかな?なんか自信なくなってきちゃった。
僕は何故こんな本に囲まれた場所にいるんだろうか。まさかこのオジサンに拉致られたとか?

『失礼な。自慢じゃありませんが我々”フラスコを揺らす者”はそんな非常識な真似はしませんよ!うっかり現世の人をミスで殺しちゃったりトラックに跳ねられて死んだ少年にゲートオブバビロンやら何ややら型月的能力を上げまくったりもしません!アルビノや謎オッドアイやらもしません!でもチートは一つだけあげちゃうけどね!!』
「あげるんだ?」
『あげちゃうのよ』

そうです貴方が変なおじさんです。

『人をどっかのバカ殿様みたいに言わないでください。さて・・・それでは君の願いを聞こう』
「んー・・・騎士ってなんか憧れる。という訳でチートな騎士になりたいです」
『うん、さっきの二人と比べて明確な方向性を示した君は見どころがあるね!』
「そうなんですか?」
『そうなのよ』

そんなことよりお腹すいた。お家帰ります。出口はどこですか?

『あ、君はもう死んでいるからお家帰れないよ?』
「まじ?」
『真剣本気と書いてマジマジ』

マジマジと見つめ返したが効果は無かった。そうか、僕は死んだのか。でも何で?

『君のパパが吸ってたたばこの副流煙のせいで随分体に異常が起きてたみたいでね?それが主な原因で喘息が悪化して死にました』
「・・・パパなんか死んじゃえ」
『しかも君のパパがたばこ吸ってなければそもそも喘息にならなかったはずなんだ・・・享年12歳、早すぎる死でした』
「・・・もうあのおっさんをパパとは認めない。これから愚物って呼ぶ」
『ちなみに君のパパは未だに喫煙してます。ママさんとは離婚寸前だね』
「・・・愚物なんか煉獄に堕ちて荼毘に付しちゃえ。ママはその先に幸福のあらんことを」

知りたくない事実てんこ盛りだった。うらみま〜す〜・・・・・・でも涙は出さない。男の子だもんッ!

『では、そろそろ夢と希望と謀略と下衆と餓鬼と狂鬼と無謀と理不尽に満ちたリリカルワールドへ行っておいで。あちら側なら君も愚物とは違っていいパパを見つけられるさ。君はいい子だったから特別にチート能力の一部をデバイスに変えておいたよ』
「・・・ありがとう。オジサンは、甘い人だね」
『優しいとは口が裂けても言えないからね?気を付けるんだよ賢い坊や』

こうして僕は妙に凝った装飾の扉を潜り、言われるがままにリリカルワールドという世界へ歩いていった。



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