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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第二十幕 「サムライガールの心の内は?」
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ろう。好青年という言葉が良く似合いそうなその男は、突然私の元を訪ねてきた。
「君が篠ノ之箒かい?」
「・・・・・・何か用か」
「用と言えば用かな?ある人に頼まれてね・・・君に稽古をつけに来た」
箒はその上から目線とも取れる物言いに、気の弱い人なら殺せてしまいそうな殺気立った目で睨みつけた。
彼のような男は今までもいた。剣道で勝ったら交際しろだの調子に乗るなだのと訳の分からないことをほざいた奴もいたが、皆下らない理由で挑んできてはボロ負けして泣きながら帰っていった。それを見ては“男のくせに情けない”と軽蔑の視線を送った。
男で年上だからと言って偉そうに・・・生身なら女に勝てるなどと甘い事を考えているのだろうが、それがただの勘違いだと教えてやる。年の功だけで勝てるほど、私の剣は甘くは無い。
「・・・返り討ちにしてやる」
「おいおい稽古だってのに物騒だな・・・ま、いいか」
―――そして箒はその十数分後、自分が気付かないうちにどれだけ思い上がっていたかを嫌というほど味わうことになった。これが、二人の始まり―――
= = =
「おぉー・・・」
「結構ヘビィな始まりだね」
「それでそれで!?」
次を急かされて箒は困った顔をする。先ほどまでの分でもかなり恥ずかしいのに、ここからは本当に恥ずかしくて言いたくない。というか、この話はそんなに楽しいだろうか?何かこの辺りで話を区切れないか・・・と考えていた箒の目に、あるものが映った。
「あ、ああ。それから・・・・・・ん?」
一語一句聞き漏らすまいと聞き入るクラスメートたちの後ろを走り抜ける人影。小柄な体躯に男子用の制服。一瞬だったがあれは・・・
「デッケン?・・・行ってしまった。何かあったのか?」
あれは確かに自分のクラスメート、ベルーナ・デッケンだった。彼は病弱を理由に何時も別室か保健室にいるはずだが、あんなに焦った顔でどうしたのだろうか。思わぬ名前に皆も走り去ってゆくベルーナ少年の方を見る。
「え!?どこどこ?」
「本当にベルーナ君だ・・・本校舎に姿を見せるなんて入学式の日以来じゃない?」
「・・・あ!」
「「どうしたの?」」
急に背後で上がった大声に、ベルーナの姿を見ようと廊下を覗いていた二人が振り返ると・・・
「・・・篠ノ之さんに逃げられた!!」
「・・・ええっ!?」
「本当だ!いない!」
気が付けば箒は忽然と姿を消している。ベルーナに目が行ったあの一瞬で逃走するとは思わなかった皆は肩を落とした。が、“ここで全て聞いてしまうのも勿体無い”と自分たちを納得させ、次の箒捕獲作戦を練り始めた。・・・逞しい子たちである。
こうして箒とセンパイの物語はいったん中断となり、またの機会に回されることとな
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