暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第十九幕 「非日常的日常」
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せたいの?」
「ぶふぅっ!?は、鼻血が・・・妄想だけで何という破壊力!!」
「ガタッ」
「話は聞かせてもらった」
「写真部な私が通りますよ。さぁ、フィルムの貯蔵は十分だ!」
「きぐるみベルきゅん・・・ドゥフフ?」
(最後の奴きめぇ・・・)

「という訳で皆!ベルーナを捕獲するためにみんなの力を分けてくれ!」

「「「「応!勝利の鐘も高らかにぃぃ!!!」」」」

人の心が一つになってゆく。ただ一つの目的のために、主義も主張も国籍も違う者たちがたった一つの目的のために動く。―――ただ一人の少年にあられもない(?)姿にさせるために。
今日もIS学園は平和です。







「で、一夏はそのベルとも会の活動で忙しそうだったから俺の所に来たと?」
「そーなのよ・・・もういっそ私も会員になろうかと思ったんだけど、何か馬鹿馬鹿しくてね?」

屋上から見上げる空は珍しく曇っており、心地よい風が吹き抜けている。そんな天気と自分の心境を重ねるように鈴は思い溜息を吐く。

「ユウは格納庫にこもってなんかやってるし・・・そういえばアンタの友達はどうしたのよ?」
「シャルか?アイツもその格納庫に用事があるみたいでな。そういう訳で今日の俺は独りだぞ?さぁ、思いのたけを言葉にしてお兄ちゃんにぶつけなさい!」
「誰がお兄ちゃんよ誰が。兄貴分だったのは否定しないけど・・・」
「だがユウは渡さんッ!」
「誰もそんなこと言ってないわ!!」

地元の中学では二人の漫才は名物のようなものであり、当時は散々「仲良いね」とからかわれたものである。何だかんだで鈴はかなりジョウに心を許している。恋愛感情こそないが、本音や弱みを吐露する程度には仲が良くて時には恋愛相談も持ちかけられたほどだ。

「そういや鈴、お前親父さんとはどうなったんだ?」
「へ?父さんがどうかしたの?」

藪から棒な質問に鈴は頭の上に疑問符を浮かべる。ジョウは少し口ごもり、質問の内容をはっきりさせる。

「いや・・・あれだ。料理店またやってんのかなって」
「ああ、なるほど。地元で母さんと一緒にやってるよ!あたしが代表候補生になってからは客足が増えて大忙しなんだって」
「ふーん・・・そのうち機会があったらみんなで顔出すかな?」
「その時はあたしも腕を振るっちゃうわよ?酢豚でもなんでも!」
「ほぉ、そいつは楽しみだ。ははは・・・」

料理の腕にも自信がついたのか張り切る鈴を横に、表情には出さずジョウは思考する。

―――どういうことだ?

鈴が母国に帰るきっかけになったのは両親の離婚だったはず。一夏やユウは知らずとも自分は鈴の母から直接聞き出したのだから間違いはない。ところが鈴の話では両親は何事もなかったかのように共に働いているという。

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