第18話
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生から許可は貰ってるから。弟君、しっかり理解するんだよ?」
まるで抜き身の刀の様な姉の視線に、俺の背中に冷や汗が流れる。
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「グフッ!」
姉の膝が、腹部にめり込む。浮かされたまま、その細腕の何処にそんな力が、と驚くばかりの右の降り下ろしで、顔面から地面に叩き付けられる。
「腕を出してから撃つまでが長過ぎる。だから、懐ががら空きになるんだよ?」
訓練機の打刀に、俺は指一本触れることすら許されず、容赦なく攻撃されていた。
部分展開とはいえ、胸部と腰が無くなるだけで、外見は他のISに近くなる。但し、強度が下がるため、速度も控えめだ。
専用機と訓練機なら、経験の差も関係無い、とたかをくくっていたが、大きな間違いだった。
太刀を防がんと発した幕は苦もなく真っ二つにされ、エネルギー刃も歯が立たず、下がりながら放とうとしたエネルギー弾は、先程の膝と右で中断。
まるで子供をあしらうように、我が姉は簡単に俺を見下していた。
「どう、弟君。自分の問題は分かった?」
それは、一夏も、ゼロも、ここにいる生徒全員が、持っているもの。
「自分を疑いすぎだよ弟君…!」
「仕方無いだろ…!いきなり専用機持ちになって、勝っていったら!機体が凄いからって思うだろ!?」
ずっと考えていた。今まで勝てたのは、ヴァンガードが優れているからで、俺自身は大したことはないんじゃないかと。
そして、その考えは、ゼロに敗けて加速した。ヴァンガードがこんなに優秀なのに、何故俺が操者なんだと。
「腕がダメなら…!」
姉を指差し、人差し指の先から、一層収束したエネルギー弾を発射する。
求めるのは、速さと正確さ。
「そこまで進めるなら、弟君は分かるでしょ!?」
右に左にと、跳躍を繰り返し、眼前に躍り出る我が姉。
なす術無く殴られ、無様に転がされる。
しかし、殴られながら、俺は、自らに問いかけていた。
痛いか、辛いか、苦しいか?と。
全身が、己の問いに是と返している事に、俺は笑った。
ならば、まだ戦える。
全身痛いわ苦しいわで嫌になるが、逃げたいという想いは微塵もわかない。
そう、自分が信じられなくても、ヴァンガードはいつも力を尽くしてくれた。それを信じ、応えてこそ意味がある!
「例え、これが間違っていても…、俺の道だ!邪魔はさせない!」
右手を力強く前に出す。両足から光が生じ、旋回しながら右手の前で合体し、『柄』になる。
「弟君…、良いんだよ、それで。お姉ちゃんは、その答えが見たかったの」
柄を握り、エネルギーを全開にする。柄から、透き通る翡翠色の刀身が現れる。
同時に、ハイパーモードが起動する。胸部と腰
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