第18話
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我が友、一夏に生け贄にされて数日、微妙に一夏とすれ違いが続き、奴を捕まえられない。
別段怒ったりはしていないが、せめて少女達のお叱りは、しかも、自ら引き起こしたものは、自身で解決しろ、と言うべく機会を伺っているのだが、一夏も一夏で負い目があるのか、中々チャンスがない。
それに、そろそろ腕の怪我は良くなっており、ヴァンガードも部分展開ならば問題ない、と先日織斑先生から通達が来た。
ブランクを埋めるためにも、一夏には相手になってもらいたいのだが、今もまた見当たらない。
ゼロとは、出来ない。いや、やろうと思えば出来るだろうが、あの男は、恋仲との訓練を優先する。技量に乏しい俺が問おうと、先に質問した宮間さんなりハクトなりにかまけて蚊帳の外になるのが見えている。
どうしたものか、と考えてみれば、ふと、一つの案が頭に浮かんだ。
「…その道は、経験者に聞くのが一番、か。クラス何処だったか…?」
方針も決まり、足を進める。
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「失礼します、丹下は居られますでしょうか?」
教室のドアを開け、クラスの生徒に所在を訊ねる。そう、訪れたのは二年の教室。姉の由梨花に頼もうと言うわけだ。
「少し待ってて、ユリー!お客さんだよー!」
近くにいた女子生徒が姉を呼んでくれた。怪訝そうに立ち上がり、こっちを見た姉は、途端に目を輝かせ、あっという間に目の前まで来た。
「弟君!なになに?お姉ちゃんに会いに来たの!?」
「結果だけなら、そうなるね。今日は、頼みたいことがあって来たんだ」
正直、姉でも妹でも、親身になって俺の訓練に付き合ってくれるだろう。しかし、教えてもらうなら、少しでも経験が多い方がいい。
それに、最近は姉妹とコミュニケーションが不足ぎみだ。よくしてくれている姉妹を蔑ろには出来ない。
今度の休みにでも、姉妹を遊びに誘おうか、と考えつつ、姉に指導をお願いする。
姉は、二つ返事で了承をくれた。
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「いい、弟君?弟君は、機体に『頼りすぎ』なの」
「…頼りすぎ?」
指導するにあたって、先に座学で難点、欠点を知るべき、との姉の判断により、放課後の教室で、一対一で姉の言葉を反芻していく。
「弟君は、ヴァンガードの速さを利用した出入りとストップ&ゴーが基本になってるの。特性とマッチしていて良い戦法だけど、最終的には、接近戦になりがち」
「布石に射撃を交えてるつもりなんだけど…」
「『あんなモノ』射撃に入らない。牽制程度にしか使えてないよ、弟君」
ぴしゃりと冷たく切り捨てられる。普段と違い、厳しく、甘さがない。
「まあ、一番の問題は、ソコじゃないの。言葉では、伝えられない」
「つまり…、ISを使うと?」
「先
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