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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
第二章 『過去と記憶』 ‐断片‐
第29話 『始動』
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て、それどころか一夏に対して母親が「蘭をお願いね」とまで言っている。
で、弾は厳さんにもそれについて聞いてみるが……

「いいのかよ、じーちゃん!?」
「自分で決めたんだ。どうこう言う筋合いねぇわな――何だ弾、文句でもあるのか?」
「ッ――ない、です」

……ま、そうなるわな。
厳さんの気迫に押されて何もいえなくなってしまう弾。
だけど俺は、弾の気持ちがなんとなく理解できていた。
恐らく妹の蘭さんを心配しての反対なのだろう。
そう考えれば弾は『ISの危険性』というものをちゃんと見れていると思う。

――よし、ちょいと動きますか

「――ねぇ、蘭さん」
「はい、何でしょう月代さん」

ニコニコしながら、機嫌のよさそうに返答してくる蘭さん。
申し訳ないんだけど、今から俺が話すことを聞いたら一気に機嫌が悪くなっちゃうかもしれないし、下手したら嫌われちゃうかもしれないんたけどなあ。

「蘭さんがIS学園に来るのは俺も歓迎だよ」
「お、おい悠ッ!?」
「まあまあ弾、ちょっと落ち着け?」

そう言って弾を宥めると、俺は言葉を続けた。

「歓迎だし、仲間が増えるのは嬉しい。ゲーム仲間が増えるのも嬉しいんだけど――ちょっと、『真面目な話』をしようか」
「ッ――!? 何、ですか?」

先に内心で弾と蘭さんの親御さんに謝ると共に、厳さんにも謝罪する。
俺は今までの口調とは違い、ちょっと真面目と言うか、キツめの口調になると言葉を続けた。

「先に言っとくね、ちょっとキツい事言うよ? そうだね――ねえ蘭さん、蘭さんはISについて、どう考えてるの?」
「そ、それは――えっと、スポーツで、宇宙で使用することを前提されたマルチフォーム・スーツで……」
「そんな一般論じゃなくて。蘭さんは、『ISをどんなものだと思ってるの?』今蘭さんが言ったけど、ISをスポーツだと思うなら……銃やミサイルを撃ったり、剣を相手に対して向けるのも、簡単に物を壊せてしまうのも、誰かを簡単に傷つける事ができてしまうのもスポーツ?」
「――それ、は」
「剣道とか弓道とか、確かにそんな競技も弓や剣って言う人を傷つけることが出来るものを使うから、その点ではISはスポーツかもしれない、だけど――物を簡単に壊せたり、恐怖の対象として見られるもの、それはスポーツかな?」
「じゃ、じゃあ――月代さんはISについてどう考えてるんですか? 私には簡単には答えを出せません、ですから月代さん、答えてくださいよ!」

わからない、素直にそういえる事は凄いと思う。
そして蘭さんは即答で『ISとは競技です、アクセサリーです』等とという、力の象徴としての発言をしなかった。

という事は、蘭さんも心のどこかではわかってはいるのかもしれない。
本当はそれだけでい
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