暁 〜小説投稿サイト〜
IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐
第二章 『過去と記憶』 ‐断片‐
第29話 『始動』
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堂に移動する際に蘭さんにこっそりと「着替えてきなって、一夏と弾は足止めしておくから」と言っておいたからか、蘭さんは先程までのラフな薄着ではなく、その――
見違えるというか、なんというか、ラフな格好でもお嬢様だなあと思っていたが、ちゃんとした洋服を着るとその感じがかなり強くなる。
外を歩いたら恐らく10人中7人くらいは振り向くんじゃないかと言うくらいで。ちなみに評価基準は俺。
まあそんな格好になった蘭さんが既に席に座っており、そこに俺と一夏、遅れてやってきた弾が座る。
他のお客用のテーブルから
『ややエロ』
『エイプキラー』
『天動型佐山宇宙』
『落ち着け、君はやはり一度病院に行ったほうがいいぞ ヒオ・サンダーソン』
等と聞こえたが、きっと気のせいだろう。
で、席に座ると弾と蘭さんの祖父である五反田 厳(ごたんだ げん)さんがお昼を持って来てくれた。
俺はその際に「すいません、ご馳走になります」と頭を下げたんだが……
『ほう、今時のガキにしちゃあ礼儀正しいじゃねえか、まるで軍人みたいな礼儀正しさだな――それに、お前さん中々いい目をしている。 気に入ったぞ、遠慮なく食え』
と言っていた。
いや、気に入ってもらえたなら嬉しいが……何でだろうか?
というか、言葉遣いだけで俺が元軍人だって事わかったのかね?
もしかしたらあの人、只者じゃないんじゃないだろうか……そう思いながら俺は昼食を食べた。
感想から言えば、かなり美味かった。アリアの手料理と互角かそれ以上くらいには。
特にこの野菜炒め、名前は『業火野菜炒め』だったか、これは最高だ。
野菜のシャキシャキ感と丁度いい調味料の味と風味でご飯が進む。
それを厳さんに伝えると、『おかわりいるか?』と聞かれた。無論頂いた。
今回はご馳走して頂けるという話らしいが、次回からはちゃんと客として来よう。
今度はアリアや梓姫を連れて来ようと俺は心に誓う。
さて、食後色々と会話していたのだが、俺が蘭さんと機体考察した後の話題で案の定一夏が地雷を踏んで、厳さんが出してくれたお茶をずずっと飲みながら俺は3人のやり取りを傍観していた。
いやあ、やっぱり蘭さんも一夏のことが好きなんだねえ。
そう思い、微笑ましい光景を眺めながらお茶をすする。
うむ、このお茶も中々だ。
最近世界的に有名な会社……IAIだったか、あの会社が出している『来客用まロ茶』に並ぶほどの味だ。
一体どんな葉を使っているのだろうか。
機会があれば聞いてみよう。
それと俺は決して爺臭くなんてない。
決して無い、まだピッチピチの18歳や。
さて、俺がお茶を飲んでいると、ちょーっと気になる会話が聞こえた。
「……決めました、私、来年IS学園を受験し
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