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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐
第二章 『過去と記憶』 ‐断片‐
第29話 『始動』
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みたいに冷たくて、ナイフみたいな鋭い感じしかしなかったのに。
――後は、俺に対するあの呼び方だよなあ。恐らくは彼女の部下……クラリッサがラウラに仕込んだんだろうけど、治ってるんだろうか。
シャルロットの事と、何故か今こうして転校してきたラウラの事を考えていると――ラウラがこちらに歩いてきた。
まあ、俺もアリアも前の方の席だから、黒板の前からだとすぐなんだけど。
ちらり、と俺のほうを一度ラウラは見ると、一夏のほうを見て――
「お前が、織斑一夏か?」
「……? そうだけど?」
「そうか――先に言っておく、私の身勝手だ。許してくれとは言わないが、一応謝っておく――すまない」
一夏が え? と言った瞬間だった。
パァンッ!という凄くいい音と共に、一夏に対して平手打ちが炸裂する。
俺も何でラウラがこんな事をしたのかは理解できない、だけどラウラは――『私の身勝手だ』と言った。
つまり、何かしら理由や事情があるんだろうか?
「いきなり何しやがる!?」
「先に言った。『私の身勝手だ すまない』と――理由を言っても貴様には分かるまい、私の個人的な理由だからな」
「理由ぐらい聞かせろ――っておい!」
そのままラウラは一夏を無視すると、俺の方を向くとそれまで軍人の、軍属である表情をやめると、不器用に笑って
「お久しぶりです――
兄様
(
あにさま
)
。お元気そうで何よりです」
「――おう、俺は元気だよ。 ラウラも、元気そうで何より」
俺は、そんな不器用な笑顔を俺に向けるラウラに対して笑いかけるとそう言った。
で、その言葉を放った後既にお約束と言うかなんというか、周りの女子達が周囲のクラスメイトとアイコンタクトをする。
既にアリア、梓姫、オルコットさん、篠ノ之さんは防御準備全開らしく、シャルロットも何か察したのか耳を塞いでいる。
俺はラウラに『耳栓』と小さく言うと『わかりました、兄様』と返される。よし、大丈夫だな?
恐らく被害を受けるのは、未だに呆然としている一夏だけだろう。許せ一夏、貴様の犠牲は無駄にはしない。 多分。
そして俺もラウラも防御準備は完璧、という状態になった瞬間、お約束の――
『な、何だってぇぇぇええええええ!?』
『色々突っ込みたい事はあるし、デュノアさんについても色々言いたいけど――』
『あ、あにさまぁ!? ボーデヴィッヒさんがお兄さ――月代君のことをあにさまって言った!?』
『ふ、ふぇぇ……私も月代君をあにさまぁって呼びたいよぉ……』
『ふ、2人はどんな関係!? 義兄弟? それともそれ以上の熱い何か!?』
『月代君総攻めのボーデヴイッヒさんが総受け――アリね、学園祭で販売する本のネタになるわね!?』
『薄い本が厚く……ふふ、これで3日は食べなくていい
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