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鋼殻のレギオス IFの物語
十七話≪真≫
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まう
 リュートが出ていくと同時、シャワー室へと通じる別のドアが開く

「終わりました。本当ならもう少しなんとかしたかったのですが、髪などが随分痛んでいるようでしたので……」

 微かな花の香りと共に出てきたのは助けた少女とエリスだ
 汚れていた少女をエリスが洗う事になり、一緒に入っていたのだ

「随分変わったなおい……」

 誰かがつい、といった様に言葉を溢す
 無論、エリスに対してではない。もちろんエリス自身も美人と評されるだけの容姿はしている
 シャワーから上がったばかりの上気し赤らんだ頬などは容姿も相まってつい視線を向けてしまうが、それではない
 今回評されたのは隣にいる少女だ
 長い間洗っておらず、汚れ黒くくすんでいた肌は綺麗に洗浄され、白い肌を露出している
 外に出ていなかったのだろうその肌は白く、汚れを洗い流すために少し熱めの湯を浴び桜色に上気し、長らく見せていなかったであろう健康的な色を浮かべている
 肩を越える長さの黒味がかった枯茶色の髪はくすんだ色が無くなり、まだ拭いきれていない水気は光によってその色味を深め濃い茶色を映しだしている
 綺麗だと感じたレイフォンの感性は間違っておらず、汚れを拭われたその顔は幼さを残しながら整っており、可愛い、というよりも端整だと評される部類のものだ
 此方を見る感情が読み取れないその表情も合いまり、人形の様な印象も受けてしまう
 細かった体は今は少し大きめな服に隠されており、最初ほどの不健康さはなりを潜めている
 袖の余るぶかぶかの服を着ている所に愛らしささえ生まれている
 細い体に年相応の肉が付けばより一層見栄えがするだろうことな想像に難くない
 仄かに香る花の香りは、消しきれなかった臭いを隠すための物だろうか。化学的な臭いとは異なり、自然の香りを元としたそれは不快な調和を成していない

『俺もみたいぞおい……』

 端子から誰かの声が聞こえた気がする
 さて、とシンラが声を出す

「では、報告に移りたいと思う。……と、そういえば今更だが、名前を聞いていなかったね」

 バスの方にも端子を残していたので、ある程度の事情は残っていた人員も知っている
 だが、集めたデータや細かいことは互いに知らないので、それを報告し合うのだ。だが、その前に、とシンラが少女の方を向く
 そう言えば、今まで聞いていなかったことを思い出す
 そもそも、こちらの名前さえ教えていなかったなとレイフォンは思う

「僕はシンラ。そっちの彼女はエリス。そしてそこにいる、君を助けてくれた王子様がレイフォンだ」
「ちょ」
「レイ…フォン……?」
 
 否定しようとした途端、少女がこちらを見て声を出したのでレイフォンは続く言葉を言えなくなる
 掠れていた少女の声は多
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