十七話≪真≫
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から」
エリスの報告で、既に危険がもうない事は分かっている。そのため、レイフォンは少女の願いもあって頷いてしまう
そのまま、何となくの後ろめたさからレイフォンは後ろを向きながら、少女が動いたのを感じ取った
私は、彼が後ろを向くのを確認してトイレのドアに近づき、しゃがみこむ
そこには一つの死体。私の母の死体だ。母が死んだ数日後、蛆が沸くからとお姉さんの勧めもありすぐそばだが外に出したのだ
あれから優に一月以上経っているのだろう。既に腐り、そこに置いたのが自分でなければ誰なのかが分からないほどだ
残ったもう片方の手、母の右手を持つ。腐りぶよぶよになったその指から、約束の指輪を貰いうける
もはや輝きは無く、薄汚れた小さな輪。けれど、母との大切な思い出の品
(お母さん、大切な人が出来ました。貰って行きます。今までありがとうございます)
時間を掛ければ彼に不信がられる
だから、目を閉じ心の中で短く感謝を、そして別れの意を伝える
きっと、今日から自分は変わるから。もう、両親の娘であった自分とは変わってしまうから
だから、どうしようもない一際の感謝を今
ありがとうございます。そしてさようなら
目を開け指輪を指につける
目の前にある死体の手を払い落とす
そして立ち上がり、トイレの中へ入って小さなカバンを取る
祭りの日母が持っていた手提げカバン。財布等の小物の入った、カバンだ
それを持ってすぐさま出ていく。■の死体には目もくれない
そもそも、ここにある死体に違いなどあっただろうか?
「用は終わった?」
「はい。すみませんへした」
掠れた声で返事をし、私は彼と合流し出口に向かった
シェルターを出てすぐ、レイフォンがこじ開けた入口の脇でレイフォン達はシンラ達と合流した
「そっちの子は大丈夫かい?」
「明りがちょっとだけ辛いみたいですが、大丈夫みたいです」
「そうか。リュートが居れば良かったのだが」
軽く、シンラとエリスが少女を見る
「リュートさんって何か持ってるんですか?」
「ああ。リュートはマイアイマスクを常備しているんだよ。しかも高性能。三枚の膜状になってて、シートを抜けば暗さが調節できる優れものだよ。……うん、眼の傷が酷いが、それ以外に特に目立って酷い所はないみたいだね」
「目の傷も焼いてあるので、特に化膿の心配は薄いようです。……何か気になる所はありますか?」
「いへ、とくにありません」
「それは良かった。辛い事ですが、もうこのレギオスには私たち以外の存在はいません。着いて来てくれますか?」
その問いに、少女は無言で頷く
「分かりました。シン、この後どうします?」
「それだけ
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