暁 〜小説投稿サイト〜
鋼殻のレギオス IFの物語
十七話≪真≫
[22/27]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
やって生き延びていたのか気になるが、今は助けられてことを喜ぼう。さっきの青い彼女にも感謝しなければ』
「ええ、そうですね」
『こっちもそちらへ向かっている。シェルターの前で落ち合おう。手が必要ならば向かうが』
「こっちは大丈夫です」
『了解した。それと、そっちの明りはどうだい? 暗い所に居続けたのなら、急に強い光の下に出すと眼が心配だ』
「薄暗いですがある程度の明りは有ります。……これってどうなんでしょうか?」
『武芸者基準だからね……なら一応、外に出る際はその辺りに注意してほしい。辛そうならフェイススコープでも被せた方が良い。……それにしても、運がよかったね。さながらレイフォンは、その子にとっての王子様かな?』
「違いますって。まったく」

 相変わらずなその言い方に苦笑してしまう
 返答し、隣の少女がこちらを見ているのに気づく

「どうかした?」
「いへ、とくには。……(王子様じゃありませんよ)」
「?」

 何か聞こえたような気がするが、声がかすれていてレイフォンには上手く聞こえない
 まあ、いいかと思う
 そういえばあの青い女性はどこに行ったのだろうとレイフォンは思う。シェルターの前まではいたが、入口をこじ開け中に入った所から一度も見ていない
 それを考え、ふら付く少女にすぐさま思考の彼方に追いやる

「僕の仲間の人達が外にいるから行こう。歩ける?」
「はい。……あ、すみません。すこし、まってもらっても、いいへすか」
「え……いいけど、何かあるの?」
「はい……。すこし、れすか、にもつを」

 少女はレイフォンから離れ、一人で立つ
 少々不安はあるが、どうやら一人で動くこと自体は大丈夫の様だ

「そういうことなら僕が……」
(あ、でもそれだと一人にしちゃうのか)

 自分で自分に突っ込む

「いへ、ひとりへ、へいきへすのて」
「流石にそれはちょっと。……一緒について行くよ」

 流石に一人で行かせるわけにはいかないのでそう申し出る
 少女はそれでも少し遠慮したが、再度駄目だと言うとレイフォンがついて行くことを了承した
 レイフォンはシンラにその旨を伝え、少女について行く
 少し歩き、二三度角を曲がると少女が振り返る

「ここへす」
「え、ここ?」

 たどり着いた先は女子トイレ。男子禁制の場。もちろんレイフォンは入ったことなどない
 直ぐそこにある禁断の場所にレイフォンは若干戸惑う
 これが緊急事態ならばいい。だが、既に汚染獣は倒し平常思考に戻ったレイフォンはそこに足を踏み入れる事に少し気後れしてしまう
 それに気づいたのか、少女はレイフォンを見る

「ここへ、まっへへくたさい。すく、れすのへ」
「う、うん。そうするよ。何かあったら言ってね。直ぐ行く
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ