黄巾の章
第23話 「あー……いや、スキンシップ」
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を掻いて苦笑しています。
「ふう……やっと、大体のことは書き起こせたからな。あとは……」
「はい。私達次第、ですね」
「そういうことだ」
私の言葉に、ニヤっと笑う盾二様。
くすっ……
「? どした?」
「いえ、その……涎が」
「あっ……(ごしごし)」
「クスクス……」
慌てて口元をこする盾二様。
可愛い。
「……なんか今日は意地悪だな、朱里」
「そんなことありませんよー? 軍師はいつも意地悪なもんです」
私が、ちょっといじめっ子な態度でそっぽを向きます。
「やれやれ……あの頃の可愛い朱里は、どこにいったんだか」
「なーーーっ!?」
か、可愛いって!
思わず振り向いてしまうと……盾二様はニヤっと笑っていました。
「じゅ、盾二様っ!」
「ははは。お返しお返し」
「も、もう! 意地悪っ!」
私が、頬を膨らませて睨みますが……盾二様は笑って誤魔化すばかり。
もう!
「………………」
はわ?
「じーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ」
…………
「(ぼそぼそ)朱里ちゃんずるい朱里ちゃんずるい朱里ちゃんずるい朱里ちゃんずるい……」
え、えっと……
「ん? 雛里、どうしたんだ? 入ってこいよ」
じゅ、盾二様!
もう少し、雰囲気読んでください!
「……お邪魔します(ぷう)」
雛里ちゃんが、そう言って扉を開けて入ってきました。
外には馬正さんが、滝のような汗を掻きながら直立不動で立っています。
きゅ、急に恥ずかしくなってきました。
はわわわわ。
「今日の分の報告書をお持ちしました……(ぷい)」
「ああ……ありがと。どうしたんだ、雛里?」
「なんでもありません(ぷい)」
ぷ、ぷいって……
雛里ちゃん、それってあざとすぎませんか?
「なに怒ってるんだ?」
「怒ってません(ぷい)」
「えっと……?」
「……(ぷい)」
盾二様がこちらに助けを求めるように、視線を向けてきますが……
すいません。
私は素知らぬ振りで、視線をずらすしかありません。
「ひ、雛里さ〜ん? なにを怒っていますか? 機嫌直そうよ?」
「……ぷい」
ついに『ぷい』を口に出し始めました。
ひ、雛里ちゃん……あからさま過ぎますよぅ。
「えっと……」
盾二様がまだ開いたままの扉のほうを見て……
あ、馬正さんがチラっとこちらを見ながら、手を水平にしてひらひらと振っています。
それを見た盾二様が……
「あっ……ああ。ひ、雛里? いつもありがとうな。すごく助かるよ……本当にありがとう」
そう言って、雛里ちゃんの頭を撫で
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