黄巾の章
第23話 「あー……いや、スキンシップ」
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袁紹も西園八校尉の一人になる予定ね。さすがは財に任せて、金で兵をばら撒くような戦術を使うだけはあるわ」
つまり、強さはたいしたことないっちゅうこっちゃな。
いや、数は力でもあるし、侮れんか。
「あとは宦官の蹇碩とか、張譲配下で固めるみたい。それと、州牧を発案した劉焉殿は、益州の州牧に。あと、公孫賛は中郎将にして、宗正であられる劉虞様が幽州の州牧となって、その配下にするみたい」
「ふんふん……」
「あとは……劉表が荊州の州牧になる予定よ」
「なんやて!?」
おいおいおいおい!
「ちょっと待ってや、賈駆っち! ウチは、荊州周辺の太守か刺史に『劉備を』推挙するいうたやんか!」
「知ってるわよっ! でも、しょうがないでしょ! 何進配下の劉表のほうが発言力高いんだから!」
ちょ、ちょっと待ちぃ!
やばい、やばいで……盾二になんて言ったらええねん。
まあ問題ないやろ、って言ってもうたウチに、どないせえっちゅうねん!
「元々劉表は、荊州刺史なのよ。そこに割り込むのが難しいぐらいわかるでしょ!」
「せやかて……じゃ、じゃあどこかの太守ぐらいにはできるん? できれば宛あたりとか……」
「あの辺はダメ。あそこは袁術が、洛陽の南の抑えとして兼任することになったわ」
「なんやねん、それー!?」
なんであの袁術の!?
「しょうがないじゃない! 孫策がなかなかあそこの防衛から動けなかったおかげで、袁術軍が壊滅的な打撃を受けたって、それはもう張勲の陰険女に、散々に愚痴られたんだから!」
「そ、それは……」
な、なんてことや……
あの時の影響で、盾二との約束が守れなくなるやなんて……
「『孫策さんがいなければ、あそこの防衛ができなかったのですから、袁術軍で管理しますねー? 孫策さんはうちの客将ですし、当然ですよねー?』とかネチネチ言われたこっちの身にもなりなさいよ! ああもう! 思い出すだけで腹の立つ!」
「……なんちゅうこっちゃ……」
ウチはがくっ、と机に突っ伏す。
あかん。
ほんまごめん、盾二……
「……張遼。あんた、どうしてそこまで劉備という将に気を使ってんのよ?」
「劉備やないねん……いや、確かに桃香もやけど……」
「は?」
賈駆っちが、訳がわからんといった顔で覗き込んでくる。
「ウチは約束したんや……将として、武人として……女として。なのに、約束果たせんかった……グスッ」
「ちょ、ちょっと! そんなことで泣かないでよ!」
「泣くわっ! これが泣かずにいられるかい!」
ああ……あかん。
ほんまに泣けてきた。
「ウチは約束も守れん女や……もうあかん、あかんねん……」
「ちょ、ちょっと……話は最後
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