黄巾の章
第23話 「あー……いや、スキンシップ」
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―― other side 宛 ――
七月 (一の旬) 七日付 宛警備状況報告書。
本日で、張遼将軍が洛陽に呼び出されてから、はや三日たちました。
現状、近郊での黄巾による被害は皆無です。
天の御遣い様が目覚めてから、ちょうど一月が経ちます。
目覚めてからの天の御遣い様は、部屋に篭り、一日中ずっと部屋を出てきません。
部屋の前には馬仁義様が、警護についています。
我々、警備隊が警護を代わろうと申し出たのですが、頑として譲ってくださりません。
部屋の中に入れるのは、将軍たちや御遣い様の直臣の方のみで、なにをなされているか、皆目見当がつきません。
ただ、一度だけ扉が開いた瞬間に中が見えたことがありましたが、ものすごい竹簡の山と、高価な紙の書籍で部屋が埋め尽くされていました。
おそらくは執務でしょうが……とんでもない量を抱えておられるようです。
正直、私にはあれだけの量を捌けるのは、人間業ではないと思いますが……
街の中の警備状況は良好です。
義勇兵だった我々は、今や宛の正式な警備兵として雇われることになりました。
義勇軍が解散を宣言されたときは、正直どうなるかと思いましたが……給与も良く、宛の街の人にも感謝されるよい職場だと思います。
我々義勇軍の兵にまで心を砕いてくださるとは……劉備様と御遣い様には感謝してもし尽くせません。
そうそう。
その劉備様ですが、最近宛でもすごい人気です。
元々、人徳のある方でしたが、あの事件以降の人気はすごいものがあります。
先日も街の長老が、日頃のお礼にとわざわざ城まで来られたそうです。
その時、劉備様は門までお出迎えをして、会談した後に長老の自宅まで自ら付き添ってお送りしたそうです。
とても素晴らしい方と、街では評判になっています。
我々、義勇軍古参の目から見ても……以前より、その人徳が増しているように思えます。
個人的ですが……なんというか。優しい姉か、母上のような……いえいえいえ。
あーこほん。
最近、劉備様を拝む人まで現れているので、少し警護を強化したほうが良いかもしれません。
とはいえ、傍にはいつも関羽将軍がお付きになっておられるので、問題はないと思いますが。
その関羽将軍は、最近とても多忙のようです。
日中は劉備様の警護に、兵の調練。
日が落ちてからは、政務の勉強を文官に教わっているそうです。
あれだけの力がある方なのに、自身の練磨を欠かさないとは……さすがです。
私も見習いたいと思います。
そうそう、鍛錬を欠かさないといえば張飛将軍です。
調練はもとより、朝から晩まで鍛錬に次ぐ鍛錬。
そ
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