暁 〜小説投稿サイト〜
真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
黄巾の章
第22話 「……ご主人様って言うな」
[4/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
入っとる。もう、動くなってことやな……)

 ウチらは洛陽の宦官ども……それのみならず、諸侯からも妬まれとるらしい。
 連戦連勝……しかも、宛を包囲した袁術は、数ヶ月も包囲したまま手立ての示せず、ウチの軍が交代したその日に陥落した。
 袁術は……相当面子をつぶされたと思っておるらしい。

(実際は、こっちにとって大打撃やったんやけどなぁ……)

 義勇兵の逃散は、最終的に発足当初の六千を割り、今は四千程度だった。
 古参の兵の主だった者は、愛紗と鈴々を守るために盾となって死んだ者やった。

 おまけに桃香が攫われたときに、必死に抵抗した古参兵も、そのほとんどが殺された。

 今では歴戦してきた義勇軍の古参兵は、千いるかどうかになっとる。

 ウチや孫策の兵も無傷とはいかないまでも、そこまで被害はない。
 それに月から増援として、近いうちに五千ほど補充兵が来ることになっとる。
 せやけど、義勇軍は……

(その旗頭が……)

 ウチは、溜息を吐く。

 義勇兵の問題だけやない。
 袁術は、その功を妬んで、孫策を宛から引き上げようと、再三書状を送ってきとる。
 けど、ウチらの実情を踏まえ、孫策はそれを拒否。

 ウチとしても今、孫策軍がいなくなることは大問題や。

 そやから月や賈駆っちに頼んで、なんとか孫策を残留させるように交渉を続けとる。

(まったく……えらい迷惑やで)

 連日送られてくる賈駆っちの報告では、袁術の……というか、その配下の張勲のネチネチとした嫌がらせの数々、それに対する愚痴がつらつらと書いてあった。

(……今日も、戻ったら届いてそうやな)

 ウチは、うんざりとして愛馬にもたれかかる。
 ウチが背にへばりつくのがうっとおしいのか、ウチの馬がぶるる、と首を振った。

「ん〜ケチ!」
「は?」

 思わず出てしまった言葉に、横にいた兵が何事か、と顔を向ける。

 ああ……
 (かえ)んの嫌やなぁ……




  ―― 馬超 side 宛 ――




「どうしてもダメか?」
「だめですな」
「〜〜〜〜〜っ! ケチッ!」
「なんと言われようとも、お通しすることはできかねます」

 こ、こいつわぁ〜!

「なんでだよ! なんであたしがこの部屋に入るのがだめなんだよ!」
「……あのですね、馬超殿」
「なんだ!」

 あたしは、目の前の男……いや!
 おっさんに食ってかかった。
 そのおっさん――馬正が、コホンと咳払いをして……

「ここ数日、朝から晩まで一刻置きに来ては、散々騒いで出て行かれる……正直、主に悪影響です。ご自重ください」

 その言葉にうっ、とたじろぐ。

「で、でも……いつ目覚める
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ