第38話
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朝
家の扉がノックされた
「はーい?」
誰だろうと思いつつドアを開けると、そこに立っていたのはサチと同じくらいの背丈の女の子だった
もちろん見たことはもちろん話もしたことない初対面の子だ
「あなたがレイ?」
「ん?まぁそうだが・・・」
「覚悟!」
俺の右手をつかんで突然外に連れ出された
とっさのことで対応が遅れ、されるがままにされた
サチもまだ寝ている
「ってなわけで私と勝負しなさい!」
「はぁ?」
「あなた、強いんでしょ!」
成程。六人目のNPCか・・・
俺は静かに黒印を抜く
「良いぜ。来いよ」
「一応名乗るわね。チェルーサよ。よろしく」
そう言いながら大剣を取り出した。大きさは俺の背より高く、太さも異常だ。一撃喰らっただけでも大ダメージ必須だろう
「たぁっ!」
威勢のいい声とともに大剣が振り下ろされた
一瞬、黒印で防ぐことも考えたが、空気を斬る音が半端じゃない。とっさにサイドステップでかわし、隙のある脇腹に黒印を突き刺した
「いったーい!」
「勝負なんだから我慢しろい!」
「む〜」
な、なんだか調子狂うな
気を取り直して≪風雅・散≫を発動し、斬撃を飛ばす
しかし大剣の腹でいともたやすく防がれた
すると大剣が輝く
「いっけぇ!」
「な!?」
前傾姿勢のもう突進が俺目掛けて繰り出された。幸いスキルにも硬直が無くなり自由になっていた俺は上に飛び上がり突進をかわす
「上がガラ空きだぜ!」
「あ!ずるーい!」
楽観的だなぁ。ほんとに調子狂う・・・
俺は少しだけ容赦して肩に黒印を突き刺した
後ろ側に着地して≪氷雷・風≫で背中を切り裂いた。しかし、チェルーサの大剣がすでに俺の頭上に振りかぶられていた
「な!?」
少しだけ体をひねって直撃は免れたためか大したダメージは無かった
刹那、大剣が恐ろしい速度で俺の右側面をえぐった
「やった!」
「ちッ!?」
薙ぎ払うがすでにチェルーサの姿は無かった
ものすごい速さだ
「ったくそろいもそろってチート級の敵ばっかりだな・・・」
ま、チート級のスキルの俺が言うのもあれか
一度目を閉じて集中力を限界まで高める
「逝くぞ」
「逝かせられるかしら?」
大きく横降り。大剣の腹に斬撃は弾かれたがチェルーサも体制が大きく傾く。そのタイミングを狙って大剣を蹴り飛ばし、腹部をあらわにさせた
黒印を振り上げて足から胴体までを切り裂く。大剣が俺の右から襲ってくるが後ろに上体を反らしてかわし、振り切って出来た隙に黒印を振るい、腕を斬りつけ大剣をはたき落とす。チェルーサの顔がゆがむがもう惑わされない。俺は落ちた大剣を拾い
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