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最期の祈り(Fate/Zero)
不可思議「修正」
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は任せた」
 実力でも相手の方が上手だと判断したか、女は歯ぎしりを鳴らしながら後ろの方に逃げていく。
 「スコール……」
 代わりにその場に現れたのは、金髪の髪を靡かせ、天からラウラを睥睨するスコール・ミューゼットだった。


 見上げる敵は、優雅に、酷薄に笑う。極上の獲物を前にしたような狩人様に……彼女のISは白と黒が入り乱れたカラーリングに、背中には何らかの装備が装着されていた。
 一方のラウラは、どこまでも無感動に、無表情に、それを見上げる。
 「お前が、この件の首謀者か」
 疑問文でありながら、疑問符は付かない。仮にスコールが何と言おうがラウラの行動は変わらないから。
 「要らない質問だったな。忘れろ」
 つまらなさそうに告げる。それが戦いの狼煙になった。ラウラのレールガンが唸りをあげる。狙うは必中。
 対するスコールは手にハンドガンを携える。切嗣を貫いた、絶対防御を無視する銃。それが火を吹きレールガンの威力を相殺、しなかった。レールガンから放たれた弾は、ハンドガンから放たれた弾に当たる前に爆発した。瞬間、世界を光が覆った。
 「閃光弾……しまった」
 懸念も束の間。如何なISといえども五感を攻撃されては手の打ちようが無い。全てが収斂した世界にあったのは……
 「一瞬で残りのゴーレムを破壊とは……恐れ入ったわね」
 ラウラの周囲にはコアが破壊された無人機が散乱していた。動力炉は前もって破壊していたとは言え、それは神業の領域に差し掛かる。
 「何年これを触って来たと思っている」
 事もなげに答えるラウラには、そこに感動は無い。彼女からしてみれば、動けないISなどただの的に過ぎない。構造を理解し、欠陥を把握し、それを弱点にもメリットにも変容する事が出来る彼女。ただの弱点を突くだけの作業に手間はさしてかからない。
 「邪魔だ。消えろ」
 敵を牽制する意味を失った瞬間から、ゴーレムはただのスクラップだ。残しておく意味は無い。
 「いいわ……」
 しかし、何が可笑しいかスコールは笑う。
 ――何が可笑しい?状況が完全にイーブンに戻されたのだ。何故笑う?
 「その顔、何が可笑しいのかっていう顔ね。単純な話よ」
 嬉しいのよ
 「折角ゴーレムを大量に作ったのに収穫が無いとつまらないでしょ?それだけの事。織斑一夏もセシリア・オルコットも期待外れ。これでは織斑千冬と衛宮切嗣に期待するしかないと諦めていた。でも、貴方が地の底から這いあがってきてくれた。人形の殻を破り人間に昇華してくれた。これで漸くモチベーションが上がってきてくれたわ」
 ――つまり、最初から狙いは衛宮と教官だけか。
 「私はおまけか?なら精々油断して足元を掬われろ」
 「冗談。むしろ現時点での最重要人物よ。丁重に扱わないと。



……織
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