不可思議「修正」
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「クフ……」
謎の赤いISに乗る少女が初めて笑った。本当におかしそうに、ラウラが必死にシャルロットを引きずり出そうとするその姿を、嘲笑う。
「いや、あああああ……」
迷っている暇、選択肢は無かった。その泥が全身を覆い尽くす前に、プラズマブレードがリヴァイヴ・カスタムIIを解体せしめた。発動前に
結果、シャルルが敵に回るという最悪のケースだけは回避できた。だが回避した結果が、必ずしも良いものは無かった。シャルルは気を失い、戦力どころか護衛対象になる。
――限界だ。
彼女をしてそう思わざるを得なかった。幾ら彼女が反則じみた力をもっていようが、所詮は有限だ。全てを救う正義の味方にはなれない。だが、それでも
――この温もりは手放したくない。
頭の中で、五月蠅いまでに訴えかける自分が居た。生きることに喜びを見出した彼女だからこそ、その想いは尊く、切実だ。
「行け」
淡々と行動を移す。
――名誉ある死?尊い犠牲?違う!人の尊厳は、意義は、生に在る。
もう死に幾何ほどの救いも見出さず、生きることから逃げ出さない。そう誓った。
――戦え
NLABが対峙する真紅のISに高速で向かう。それを切り裂こうとした瞬間、
「爆破」
その身を代価に、NLABは爆風の中に敵を道連れにした。
「!?」
今まで余裕の体を崩さなかった敵が、初めて動揺を見せる。その瞬間に全てが決した。否、決するべくラウラが動いた。風を切り、音を超え秒を切り敵を凪ぐ。
「お前に、お前如きに――!!」
腕が?げるほどの衝撃が襲う。が、敵はそれ以上のダメージを被っていた。
「スカーレッド……くそ!」
後に残ったのはバイザーを付けた女だけ。ISは解除されている。今なら赤子の手を捻る様に倒すことも出来る。が、ラウラはそれを選択しない。彼女に背を向けると、切嗣をシャルロットのそばに置き、再び周りを囲む敵と戦闘に入る。殺さないのではない。その必要が無いからだ。
――恐らく、敵の無人機には紅いISのパイロットを攻撃しないようにプログラミングされている筈だ。ならば、戦場の中に巻き込むだけで人質になる。
果たして、ラウラの予想通り敵の統制は崩れきっていた。実際には僅かな綻び。しかし、機械に綻びが出ること自体が異常なのだ。たった一つの綻びは滑り坂のように、さらに大きな過失を呼び、遂には残る機体を3とするまでの破滅を招いた。
「馬鹿な……」
時間にすれば僅か1分。その間に形勢は大きく傾いた。敢えて5を残したのは、例の女に対する牽制だ。切嗣等を人質に取ろうにも下手に動けば戦火に巻き込まれる。それが戒めとなり、彼女を束縛していた。だが、それだけでは無い。ラウラは地面に横たわる二人を完璧に守りながら戦い抜いたのだ。
「っ……スコール、後
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