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最期の祈り(Fate/Zero)
不可思議「修正」
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下を滑る様に並走し獲物を屠る。
 正確な演算が可能な人工頭脳だからこそ解る。どうやっても、この敵には敵わないと。
足を蹴り払われると同時に、コアの部分にブレードが刺さり自身を炎の爆発に包み込んだ。
 「これで……八体目か。切りがない……」
 周囲を囲む炎の先に居るのは、残り12体の無人IS。経過時間は15分。一夏と鈴音が死力を尽くし改良前の敵を一体、漸く破壊した事を考えれば有り得ない戦果だが、白銀の少女は本気を出せない状況に忸怩たる思いを感じていた。
 確かにラウラは全力を出しているが、本気を出していない。否、本気で戦えずにいた。
 その身が背負うは彼女だけの命にあらず、片腕に衛宮切嗣の命をも背負っていた。……違うか。告白するなら、彼女は、衛宮切嗣を守るため戦っていた。
 
 

 一度は殺すと決めた怨敵を。
 

 
 笑うだろうか。誰かが聞いたら、笑うだろうか。今更何をと、軽蔑するだろうか。その矛盾に。偽善?改心?行為だけを見ればそれも頷ける。しかし、人は結果論では語れない。語れないからこそ、人間なのだ。
 (何故、私はこいつの為に戦っている……?)
 曖昧さ。分析して、それでも尚届かぬ答。それを抱いた瞬間に人間は人たる。ラウラは非情な人間でなければ、機械でもない。ただ少し、ほんの少しだけ気付くのが遅かっただけだ。
一瞬だけ飛来した答えは、追いすがるには早すぎて、実感はできても理解は出来なかった。だが事実として、彼女の機体はラウラの回答に答えてみせた。
 (お前は、一体何を知っている、シュヴァルツェア・レーゲン?)
 自身でも合理的だという自負があるくらい、彼女は合理的だ。負傷兵を抱えて戦うなど、少し前の自分が聞いたら一生の笑い種にしていた事だろう。怪我を悪化させないよう、速度も動きも制限される。その上で敵を倒すなど、馬鹿の諸行かラウラ程の天才にのみ許された領域だ。逆を言えば、それほどの技を潰す事である。
 しかし、今はそんな無駄が嫌では無かった。誰かのために生きる、それは今まで見た事の無い未来のビジョン。そんな在り方に優しい息吹を感じ、それを火薬に変えて戦う。
 「いける……私は……」
 炎の中、敵を切り裂くその姿は限りなく鬼に近かった。だが、自ら肯定する。これで良いと。高らかに謳う。自分の力を。それは、まだ幼いながらも必死に生きてきた彼女が、初めて自分の力を肯定した瞬間だった。
 未だに昂揚する自我を抱えながら、それでもラウラの頭は敵を倒すための策を冷徹に講じる。
 (敵を倒すのに余計な思考回路は要らない。コイツが生きている事を確認するだけで充分だ)
 切嗣を傷付けない程度に機体を加速させる。切嗣の怪我は予断を許さない。死に至ってもおかしくない程の血を流した結果、その身は冷たく冷えきっていた。心臓の鼓
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